クレジットカードは何枚持てばよいのだろうか?実は複数枚使い分けるにはコツがいる。メインカードとサブカードの組み合わせ次第では全くメリットにならないこともあれば、1枚持ちよりも圧倒的にお得になる場合もある。ここでは最適な保有枚数やメリット・デメリット、メイン・サブカードの選び方などを紹介していこう。

目次
1,複数枚のクレジットカードを使い分ける4つのメリット
2,クレジットカードのメインとサブとは? 平均保有枚数は3.2枚
3,メインカードの選び方・基準は?
4,サブカードの選び方・基準は?
5,メインカードにおすすめの4枚を解説
5-1,リクルートカード
5-2,dカード
5-3,Orico Card THE POINT
5-4,楽天カード
6,サブカードにおすすめの6枚を解説
6-1,ビックカメラSuicaカード
6-2,ソラチカ一般カード
6-3,ENEOSカード S
6-4,イオンカード
6-5,Amazon Mastercard ゴールド
6-6,TRUST CLUB プラチナマスターカード
7,複数枚のクレジットカードを使い分ける上でのデメリットは?
8,メイン・サブを意識して一度クレジットカードの整理をしてみよう

1,複数枚のクレジットカードを使い分ける4つのメリット

クレジットカードは1枚の方がいいのか、複数枚持っていた方がいいのか?複数枚のクレジットカードを保有・使い分けをするのは、明細書の確認やクレジット利用金額の引き落とし日の確認など、手間がかかり面倒だという人もいるだろう。しかし、クレジットカードを複数枚所有し、使い分けるのは、これらのデメリットに勝るメリットがある。

メリット1,それぞれのカード付帯の特典・サービスを受けられる

クレジットカードにはそれぞれ異なる特典・サービスが付帯しており、複数枚を保有することで、さまざまな特典を享受できるようになる。クレジットカードの種類別に特典・サービスの傾向を整理すると次のようになる。

カードの種類 特典・サービスの傾向
銀行系クレジットカード ATM利用手数料・ネットバンキング
振込手数料等の優遇、金利優遇など
信販系クレジットカード 特約店での優待、トラベルサービスなど
流通系クレジットカード デパート・スーパー等での割引など
交通系クレジットカード マイル加算、交通機関利用でのポイント倍付け、
無料ロードサービスなど
各分野の上位カード 空港ラウンジサービス、補償金額が高額な付帯保険、
高級ホテル・レストランの優待など

メリット2,旅行傷害保険の補償金額の増額が可能

クレジットカードの多くには旅行傷害保険が付帯しており、「傷害死亡・後遺障害」以外は補償金額の合算が可能となっている。ただし、保険適用が利用付帯の場合は、旅行代金をクレジットカード払いしないと、そもそも保険が適用されず、合算もされない。

たとえば3枚のクレジットカードを保有していて、A~Cの付帯保険の条件や補償額が次のようだと想定しよう。

クレジットカード 保険付帯条件 補償金額
A 利用付帯 200万円
B 自動付帯 300万円
C 自動付帯 250万円

この場合、旅行代金をカードBで支払うと、カードAの保険適用条件を満たさず、BとCの保険しか適用されない。しかし、カードAで支払うとA、B、Cすべての保険が適用され、傷害・疾病治療保険の補償金額は合計750万円となる(200万円+300万円+250万円)。

海外では医療費が高い国も多く、特にアメリカでは盲腸の手術だけで180万円以上、アキレス腱断裂なら330万円以上かかるというデータもある。それを考えれば、クレジットカードを複数枚所有して、海外旅行傷害保険の補償金額を増額させることには、大きなメリットがある。

メリット3,ポイントをより効率よく貯められる

クレジットカードには通常、クレジット利用金額に応じて貯まるポイントがある。利用金額に対し何円相当のポイントが貯まるかをパーセント表示したものをポイント還元率といい、それが高いカードほどお得ということになる。

注意したいのが基本ポイント還元率は低くても、特定店舗ではポイントが倍付けになるといったカードがあるということ。例えば「セブンカード・プラス」は通常の店舗では200円→1ポイント(還元率0.5%)だが、セブン-イレブンやイトーヨーカードなどでは200円→2ポイント(還元率2%)のnanacoポイントが貯まる。

日常的に最も使うカードには、どこで使っても還元率が高いカードを採用。一方で、サブカードとして特定店舗でポイントが倍付けされるカードを使う……という使い分けをすると、より効率よくポイントを貯められる。

メリット4,利用可能な店舗が増える

クレジットカードにはワールドワイドな決済システムを提供する国際ブランドが付いており、それにより広く国内外での利用が可能となっている。ただし、加盟店シェアの小さい国際ブランドだと、いざ支払いというときに利用できないことがある。

VISA、MasterCardに関してはそうした問題はあまりないが、JCBやアメリカン・エキスプレスだと国によって利用できる店舗が少ないことも。また、ダイナースクラブも同様に、ほかと比較して加盟店数が少ない。

国際ブランドがJCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブのカードを使うなら、VISAブランドかMasterCardブランドのカードも併せて携帯したい。特に海外旅行時にはVISAかMasterCardどちらかのブランドのカードをなるべく1枚は持っていきたい。

2,クレジットカードは何枚持つのが一般的なのか?平均保有枚数は3.2枚

クレジットカードを複数枚使い分けるメリットは主にこの4つに集約されるが、実際にク何枚持っている人が多いのだろうか?JCBの調査から平均保有枚数を見ていこう。 

クレジットカードの平均保有枚数は平均3.2枚

JCBが20代から60代の男女3,500人を対象にして2018年に行った調査によると、クレジットカードの保有率は84%で平均保有枚数は1人あたり3.2枚という結果となった。別の調査では平均2.5枚という数字もある。保有しているクレジットカードが1枚だけという人は少ないようで、多くはおおよそ2~3枚を保有していると考えられる。

メインカードとは?……日常で利用頻度の高いカード

複数枚のクレジットカードを保有している場合、主として利用しているカードと、そうでないカードが出てくる。明確な定義があるわけではないが、前者をメインカード、後者をサブカードと呼ぶことが多い。つまり、普段からよく用いている利用頻度の高いカードがメインカードというわけだ。

先のJCBの調査では、クレジットカード保有者の世帯あたり月平均生活費は約19万円。そのうち、クレジット利用額は約7万円。そして、1番多く利用しているクレジットカード=メインカードは月平均で5万2,000円の利用となっていた。

サブカードとは?……利用頻度が少ない数枚のカード

メインカードほどは利用しないカード、あるいは、普段はあまり利用しないカードのことをサブカードという。

JCB調査によると持ち歩いているクレジットカードの枚数は平均2.1枚。つまり3枚保有するカードのうち1枚は、何かあったときのために家に置いている人が多いということになる。さらに同調査では2番目によく使っているクレジットカードは月平均2.3回利用、月あたりの利用金額は1万5,000円だという。

このように利用頻度が少ないカードや、予備で家に保管してあるクレジットカードのことをまとめてサブカードと呼ぶ。

3,メインカードのクレジットカードの選び方、4つの基準

では複数のクレジットカードを併用する場合、メインカードはどういう観点で選べばいいのだろうか?

選び方・基準1,通常ポイント還元率が高い

ポイント還元率が高いカードをメインカードに据えると、当然ポイントを効率よく獲得できる。その際の基準としては通常のポイント還元率ができれば1%以上のものを選ぶことだ。

ここで大切なのは所定の条件を満たすと1%になるクレジットカードではなく、無条件に1%還元=通常還元率であるという点。なぜならば条件を満たせなかった場合でも高還元となるし、ポイントアップの仕組みがある場合も、通常の還元率がもともと高いところに加えてのポイントアップとなるので、より多くのポイントを獲得できるためだ。

メインカードを選ぶときはまず、ポイント還元率の高さを第一に考えるといいだろう。

選び方・基準2,原則的に年会費無料のものを選ぶ

メインカードは公共料金や毎月かかる各種支払い(新聞料金やジムの会費など)に用いることになる。そういった決済にいったん登録すると、カードを変更するのは非常に面倒だ。それを考えるとメインカードは保有コストのかからない年会費は無料のものがいいだろう。

年会費有料のカードをメインカードとして考えているのならば、まずはサブカードとしてしばらく使ってみることだ。しばらく使った上で、これからもずっと保有したいと思えたならメインカードに据え、公共料金や毎月の支払いをそこに集約するといいだろう。

選び方・基準3,必要に応じて多機能型のカードを選ぶ

選び方・基準の1と2を優先した上で、選択の余地があれば多機能型のカードを検討したい。たとえば、SuicaやPASMOなど交通系ICカードや各種電子マネーの機能が搭載されているクレジットカードを持つと、財布の中の種々のカードを減らせて便利だ。

多機能型の中にはTポイントやdポイントなどの共通ポイントカードを兼ねたクレジットカードや、銀行キャッシュカード機能付きのクレジットカードなどもある。必要に応じてそうしたカードを選ぶことで、常に持ち歩くことになるメインカードとしての利便性はさらに高まるだろう。

選び方・基準4,付帯保険は利用付帯でもよい

1の条件を満たしたメインカードは原則的に旅行代金の支払いにも使うことになるため、カード付帯の旅行傷害保険に関しては自動付帯でも利用付帯でもかまわない。

4,サブカードの選び方、4つの基準

では、サブカードに適したクレジットカードとはどういうものだろうか? 次にその選び方、基準について説明しよう。

選び方・基準1,特定の店舗・サービスでポイントアップや割引優待を受けられる

全方位的にポイント還元率が高いカードをメインカードに据える一方で、サブカードには特定の店舗や利用方法で大きくポイントアップを図れるクレジットカードを持ってくるとよい。

たとえば、自分が頻繁に利用する店舗で割引優待が適用されるクレジットカードがあれば、それをサブカードとして保有し、その店舗でのみ使うようにすればメリットだけをうまく享受できることになる。

選び方・基準2,利用したい特典が付帯しているなら年会費は有料でも視野に

一般的にサブカードは1~2枚持つことになるため年会費コストはかけられない。ただし、空港ラウンジサービス、ロードサービス、高級ホテルの優待、ゴルフサービス……など自分が積極的に利用したいと思える特典が付帯しているカードなら、年会費有料のカードをサブカードとして持ってもいいだろう。その際に注意したいのが、その付帯特典を年間にどのくらいの回数使うか、年会費以上にお得になるかということをしっかりとシミュレーションするということ。

また、そのカードのポイント還元率が十分に高いなら、試しに少し使ってみてからメインカードに昇格させるという選択肢もある。

選び方・基準3,旅行傷害保険が原則的に自動付帯のもの

サブカードの付帯保険で旅行傷害保険の増額を狙うなら自動付帯のものを選びたい。ただし、年会費無料のカードの場合、自動付帯のものはあまり多くないので、この条件については、そこまで重視しなくてもよいだろう。無理に自動付帯のものを選ぼうとして、カードの選択肢を狭めてしまうと、損をしてしまう可能性があるからだ。

「海外旅行にたまに行く」というくらいであれば、別途、旅行代理店や空港などで旅行傷害保険に加入するというのも手だ。逆に、頻繁に海外旅行に行くのであれば、年会費が有料になったとしても、補償内容の充実した旅行傷害保険が自動付帯となるカードをサブカードとして持っておきたい。

選び方・基準4,メインカードで貯まるポイントに交換できるポイントが貯まる

これは選び方・基準の1、2を満たした上でだが、メインカードで貯まるポイントに交換できるポイントが貯まるサブカードを選ぶと、ポイントを集約することができ、使い機会も増えるだろう。

5,メインカードにおすすめの4枚を紹介 リクルートカードやdカードが狙い目!

これまで紹介してきた、メインカード選びの基準条件を満たすカードのうち、特におすすめの4枚を紹介しよう。

5-1,リクルートカード――通常還元率1.2%の超高還元率カード

・リクルートカードの基本スペック……通常還元率1.2%でリクルートポイントが貯まる

年会費 無料
国際ブランド VISA、Mastercard、JCB
通常還元率 1.2%
ポイント付与条件 毎月の利用額の1.2%相当ポイント
貯まるポイント リクルートポイント
追加カード ETCカード、家族カード
付帯保険 海外旅行、国内旅行、ショッピング保険

年会費無料で作れる「リクルートカード」は、毎月のカード利用金額に対して、1.2%のリクルートポイントが貯まる超高還元率カードだ。国際ブランドはVISA、Mastercard、JCBから選べ、海外最高2,000万円、国内最高1,000万円の旅行傷害保険が付帯する(利用付帯)。

・ポイントのお得な貯め方…電子マネーチャージでも貯まる

ポイントはクレジットショッピングだけでなく、一部の電子マネーへのクレジットチャージ分にも付与される。対象は以下のとおり。

国際ブランド ポイント付与対象の電子マネーチャージ
VISA、Mastercard nanaco、楽天Edy、モバイルSuica、SMART ICOCA
JCB nanaco、楽天Edy、モバイルSuica

ただし、月間チャージ合計額の3万円を超える部分は付与対象外だ。

・ポイントの使い方……Pontaポイントやdポイントにも交換でき、多くの店で使える

リクルートポイントは、共通ポイントのPontaポイントに1リクルートポイント→1Pontaポイントのレートで交換できる。Pontaポイントに交換すると、じゃらんやホットペッパーなどのリクルート系のサービスや、ローソンやシェルSS、KFCなどPontaポイント提携店で支払いに充当することができる。

Pontaポイントから交換できる他社ポイントは、dポイント(1 Pontaポイント→1 dポイント)やJALマイル(1 Pontaポイント→0.5マイル)など。交換対象は少ないが、dポイントに交換するとドコモのサービスの支払いや、dポイント加盟店での支払いなどにも使えるので汎用性は高い。

・その他の特徴……リクルートポイントからdポイントにも交換できる?

リクルートはドコモとの業務提携により、2020年10~12月にリクルートの共通ポイントとして、Pontaポイントのほかにdポイントも選択できるようにすることを発表している。そのため、今後は「リクルートカード」で獲得したリクルートポイントを直接dポイントに交換できるようになる可能性がある。

メインカードの主な利用先が定まっていないなら、全般的にポイント還元率が高い「リクルートカード」は有力候補になるはずだ。

5-2,dカード――通常還元率1%、ポイントアップ対象店舗も多い

・dカードの基本スペック……通常還元率1%でdポイントが貯まる

年会費 無料
国際ブランド VISA、Mastercard
通常還元率 1%
ポイント付与条件 100円1ポイント
貯まるポイント dポイント
追加カード ETCカード、家族カード
付帯保険 ショッピング保険

年会費無料で作れる「dカード」は100円の利用につき1ポイントが貯まり、通常ポイント還元率1%。国際ブランドはVISA、Mastercardから選べる。貯まるポイントは共通ポイントのdポイントだ。

・ポイントのお得な貯め方……dポイントが特約店で2倍以上に

dカードにはdポイントカードとしての機能もあり、dポイント加盟店ではクレジット利用ポイントのほか、カード提示によるポイントも加算される。

dカード特約店では、カード払いで2倍以上のポイントが付与される。

特にお得なのはローソンでの利用で、

  • dカードで支払うとクレジット利用ポイントとして1%分が付与される
  • dカード提示ポイントとして1%分が付与される

と合計で2%もお得になる。ローソンをよく利用するなら、メリットの大きいカードと言えるだろう。

電子マネーへのクレジットチャージはポイント付与の対象外だが、カード搭載の後払い式電子マネーiDの利用分にはポイントが付与されるので、少額決済が多くてもポイントを貯めやすい。

・ポイントの使い方……加盟店やドコモサービスの支払いに充当

貯めたポイントは、ドコモのサービスの支払いやdポイント加盟店で支払いに充当できるほか、JALマイルへ5,000ポイント→2,500マイルのレートで交換することもできる。

・その他の特徴……旅行保険は付帯しない

残念ながら旅行傷害保険は付帯しないが、年間100万円限度のショッピング保険が付帯する。また、ドコモ携帯電話の紛失・盗難・修理不能の際に、購入後1年以内なら再購入費用の一部を最大1万円まで補償する「dカードケータイ補償」もある。

通常のポイント還元率が十分高いので、ドコモユーザーでなくてもメインカードとして検討する価値のあるカードだ。

5-3,Orico Card THE POINT――通常還元率1%、ネットショッピングは2%以上に

・Orico Card THE POINTの基本スペック……通常還元率1%でオリコポイントが貯まる

年会費 無料
国際ブランド Mastercard、JCB
通常還元率 1%
ポイント付与条件 100円1ポイント
貯まるポイント オリコポイント
追加カード ETCカード、家族カード
付帯保険

年会費無料で作れる「Orico Card THE POINT(オリコカード ザ ポイント)」の通常ポイント還元率は1%、100円のクレジット利用につき1オリコポイントが貯まるが、入会特典としてカード入会から6ヵ月間は還元率が2%になる。

カードには、電子マネーのiDとQUICPayがダブルで搭載されている。少額決済での利便性が高いので、ポイント獲得の機会も増えるはずだ。国際ブランドはMastercardかJCBから選べる。

・ポイントのお得な貯め方……オリコポイントがネットショッピングでざくざく貯まる

名前のとおりポイントに特化したカードで、特にネットショッピングに強い。

多くのカード会社は「ポイントサイト」を用意している。ポイントサイトを経由して各ネットショップで買い物すると、通常のクレジット利用ポイントに加えてショップごとに設定されたポイントが加算される。加算されるポイントはどのカード会社のポイントサイトもほとんど同じで、オリコの「オリコモール」も例外ではない。

しかし「Orico Card THE POINT」では、ショップごとの加算ポイント(0.5%~)のほかに、カードの特典として0.5%分の「オリコモール」利用ポイントが付与される。つまりオリコモール経由のネットショップでは、ポイント還元率は常に2%以上になるのだ。

オリコモールには楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピング、Apple公式サイト、ビックカメラ.com、じゃらん、ベルメゾンネットなど多くのショップが登録されている。ネットショッピングの際に忘れず経由すれば、効率的にポイントを獲得できるだろう。

・ポイントの使い方……加盟店やドコモサービスの支払いに充当

貯めたポイントは、ギフト券や各種ポイント(T-POINT、楽天ポイントなど)に交換できる。ただし、以下の2点に注意したい。

  • 交換は500ポイントから
  • 有効期限が獲得から約1年と比較的短い

500ポイントに達する前に失効しないようにメインカードとして使い、しっかりポイントを貯めていきたい。

・その他の特徴……旅行やショッピング保険は付帯しない

旅行傷害保険やショッピング保険は付帯しないので、必要ならサブカードで補う必要がある。

ネットショッピングや少額決済が多い人のメインカードとして、おすすめの1枚ということになる。

5-4,楽天カード――通常還元率1%、最高2,000万円の海外旅行傷害保険が付帯

・楽天カードの基本スペック……通常還元率1%で楽天ポイントが貯まる

年会費 無料
国際ブランド VISA、Mastercard、JCB
アメリカン・エクスプレス
通常還元率 1%
ポイント付与条件 100円1ポイント
貯まるポイント 楽天ポイント
追加カード ETCカード、家族カード
付帯保険 海外旅行

年会費無料で作れる「楽天カード」の通常ポイント還元率は1%。100円につき1ポイントの楽天ポイントが貯まる。国際ブランドはVISA、Mastercard、JCBのほか、アメリカン・エキスプレスも選べる。

カードの付帯機能として電子マネーの楽天Edyを搭載できるほか、楽天ポイントカードとしての機能もある。VISAとMastercardに限り、タッチ決済(読み取り端末へのタッチによるクレジット決済)もできる。

・ポイントのお得な貯め方……楽天ユーザーは圧倒的にお得

通常のポイント還元率が1%と高いので、それだけでメインカードの有力候補になるが、楽天市場をよく利用しているなら、このカードのおすすめ度は跳ね上がる。楽天市場では、ポイント還元率が3%になるからだ。

・ポイントの使い方……楽天グループ以外にも多くのお店で使える

貯めたポイントは、楽天市場など楽天グループのサービスや楽天ポイント加盟店で利用できるほか、スマホ決済の楽天ペイで支払いに使ったり、楽天Edyへ1ポイント→1円分のレートでチャージしたりできる。

楽天ポイントは楽天グループだけでしか使えないポイントと思われがちだが、マクドナルドやミスタードーナツ、吉野家、ロイヤルホスト、大戸屋、ファミリーマート、東急ストア、ビックカメラ、ジュンク堂書店、出光、コスモ石油、NPC24Hなど使える店舗は多い。これらの店舗で楽天カードを提示することで、楽天ポイントを貯めたり使ったりできる。

・その他の特徴……ETCカード年会費は有料なので注意

最高2,000万円の海外旅行傷害保険(利用付帯)や、海外レンタカー10%オフ、海外用携帯・WiFiルーター20%オフ、ハワイの空港ラウンジ無料利用などのトラベル関連の特典も充実している。

注意したいのは、ETCカードに550円(税込)の年会費がかかること。ETC利用分も1%分が還元されるが、年会費がかかるということは、その分だけポイントがマイナスされるようなものだ。

「楽天カード」をメインカードとして使うのであれば、サブカードにはETCカードの年会費が無料で、ETC利用分にもポイントが付与されるものを選びたい。そのサブカードでETCカードを作ったほうがお得だ。

いずれにせよ、楽天市場を利用する機会があるなら、持っておいて損のないカードであることは間違いない。

6,サブカードにおすすめの6枚を紹介 交通系、流通系が役に立つ

ここからは、サブカードの条件を満たすカードのうち、特におすすめの6枚を紹介しよう。

6-1,ビックカメラSuicaカード――Suica搭載でチャージ分は1.5%還元

・ビックカメラSuicaカードの基本スペック……通常還元率はJREポイント0.5%+ビッグポイント0.5%

年会費 524円 ※初年度無料、条件無料
国際ブランド VISA、JCB
通常還元率 1%
(JREポイント0.5%、ビックポイント0.5%)
ポイント付与条件 1,000円10ポイント
貯まるポイント JREポイント、ビックポイント
追加カード ETCカード
付帯保険 海外旅行、国内旅行

JR東日本グループのクレジットカードに、ビューカードというシリーズがある。そのうちの1枚である「ビックカメラSuicaカード」は、その名のとおりビックカメラと提携したクレジットカードで年会費は524円(税込)、初年度は無料。前年に一度でもクレジット利用があれば年会費が無料になるため、実質無料と考えていいだろう。国際ブランドはVISA、JCBから選べる。

通常還元率は1%だが、他のクレジットカードとポイントサービスの仕組みが少し異なる。1,000円の利用ごとにJR東日本グループの共通ポイント「JRE POINT」が5ポイント、ビックカメラのビックポイントが5ポイント貯まるのだ。これらを合わせると、還元率は1%になる。

・ポイントのお得な貯め方……JRE POINT0.5%+ビックカメラ0.5%で1%

カードにはSuica機能が搭載されているので、JR東日本を利用している人は通勤・通学で便利に使えるだろう。SuicaへのオートチャージなどJR東日本の利用分に関しては、JRE POINTが3倍の1.5%還元になる(ビックポイントは付与されない)。

ビックカメラでの買い物でSuicaで支払った場合、現金払いと同じ10%還元になるため、Suicaへのチャージ分のポイントと合わせると11.5%還元になる(JRE POINT1.5%+ビックポイント10%)。

・ポイントの使い方……ビックポイントはSuicaにチャージできる

JR東日本とビックカメラの両方を利用する人にお得なカードと言えるが、しばらくビックカメラを利用しなくても、1,500ビックポイント→1,000円分のレートでSuicaにチャージできるので、ポイントをムダにすることはないだろう。

また、1,000 JRE POINTポイント→1,000ビックポイントのレートで交換することもできる。

・その他の特徴

補償金額はあまり高くないが、最高500万円の海外旅行傷害保険(自動付帯)、最高1,000万円の国内旅行傷害保険(利用付帯)があることも評価できる。

JR東日本の路線を日常的に利用しており、たまにビックカメラを利用するという人なら、使い勝手が良く、お得なカードになるだろう。

6-2,ソラチカ一般カード――実質1%還元、メトロ乗車でさらに貯まる

・ソラチカ一般カードの基本スペック……0.5%の還元率でOki Dokiポイントが貯まる

年会費 2,200円※初年度無料
国際ブランド JCB
通常還元率 0.5%
ポイント付与条件 1,000円1ポイント
貯まるポイント Oki Dokiポイント
追加カード ETCカード、家族カード
付帯保険 海外旅行、国内旅行、ショッピング

「ソラチカ一般カード(ANA To Me CARD PASMO JCB)」の国際ブランドはJCB。年会費は2,200円(税込・初年度無料)と有料だが、飛行機はANA、電車は東京メトロの利用が多い人にはメリットが大きいカードだ。

クレジット利用で貯まるのは、1ポイント5円相当の価値があるOki Dokiポイント。毎月のクレジット利用合計金額1,000円(税込)につき1ポイントが付与され、通常還元率は0.5%だ。

このカードにはマイレージカードとしての機能もあり、入会時と毎年のカード継続時にはそれぞれ1,000マイルがボーナスとして付与されるため、年会費はこれでまかなえる。搭乗ごとに、フライトマイルの10%分のボーナスマイルも付与される。

・ポイントのお得な貯め方……PASMOオートチャージ分にもOki Dokiポイントが付与される

東京メトロではカード搭載のPASMOへのオートチャージができ、そのチャージ分にもOki Dokiポイントが付与される。またメトロの乗車や、駅構内・駅関連施設でのPASMO払いなどで、東京メトロの「メトロポイント」が貯まる。

・ポイントの使い方……ANAマイルへの交換で還元率UP!

このカードで貯めたOki Dokiポイントは、ANAマイルに交換するのが一般的だ。Oki Dokiポイントは、1マイル→5マイルのレートでANAマイルに交換できる。一般的に1マイルは2円相当の価値があるとされるので、ポイント還元率に換算すると1%になる。

メトロの乗車や駅ナカ店舗でのPASMO払いによってOki Dokiポイントとは別に貯まるメトロポイントも、ANAマイルと相互交換ができる。Oki Dokiポイントからメトロポイントに交換することもできるので、ポイントをまとめやすい。

・その他の特徴

最高1,000万円の海外旅行傷害保険と国内航空傷害保険(航空機利用時のみ付帯)、年間100万円限度のショッピング保険が付帯する。ただし、旅行傷害保険では治療費用は補償されないので注意したい。

乗車するたびにメトロポイントが貯まるので、通勤などで毎日のように東京メトロを利用しており、飛行機はANAを利用するという人には強くおすすめしたいカードだ。

6-3,ENEOSカード S――ENEOSでガソリン2円/L引き&0.6%還元の年会費実質無料カード

・ENEOS カード Sの基本スペック……還元率0.6%でENEOSカードポイントが貯まる

年会費 1,375円※初年度無料、条件無料
国際ブランド VISA、JCB
通常還元率 0.6%
ポイント付与条件 1,000円6ポイント
貯まるポイント ENEOSカードポイント
追加カード ETCカード、家族カード
付帯保険

クルマに乗り、ENEOSサービススタンドの利用が多い人なら「ENEOSカード S」も検討したい。「ENEOSカード」には、

  • キャッシュバック(ガソリンなどの値引き)特化型の「ENEOSカード C」
  • ポイント特化型の「ENEOSカード P」

もあるが、年会費が無料になるのは「ENEOSカード S」だけだ。まずはこれをしばらく使ってみて、その後ニーズに合わせて他のカードを検討するといいだろう。

「ENEOSカード S」の国際ブランドはVISA、JCB。年会費は1,375円(税込)だが、年1回以上のカード利用があれば翌年度の年会費が無料になるので、実質年会費無料と考えていいだろう。

・ポイントの使い方……ANAマイルへの交換で還元率UP!

このカードはENEOSでガソリン・軽油が2円/L引き、灯油が1円/L引きになるほか、一般のクレジット利用とENEOSでの給油以外の利用分にはポイントが付与される。

ポイントは各種商品券のほか、TポイントやJALマイルに交換でき、ENEOSでキャッシュバックを受けることもできる。ENEOSでのキャッシュバックが最も還元率が高い(0.6%還元)。ENEOSでのカーメンテ商品(燃料以外)の購入分は、2%還元だ(キャッシュバックの場合)。

・その他の特徴

保険は付帯しないが、30分程度の軽作業が無料になるロードサービスを利用できるほか、「カーコンビニ倶楽部」でのキズ・ヘコミの修理料金割引、オリックスレンタカーなどでの優待など、クルマ関連の優待を利用できる。

年会費は実質無料なので、ENEOS利用者なら持っていて損はないカードと言えるだろう。

6-4イオンカード(WAON一体型)――イオンで1%還元&月2回の5%オフ、無料ゴールドへの格上げも狙える

・イオンカード(WAON一体型)の基本スペック……還元率0.5%でときめきポイントが貯まる

年会費 無料
国際ブランド VISA、Mastercard、JCB
通常還元率 0.5%
ポイント付与条件 200円1ポイント
貯まるポイント ときめきポイント
追加カード ETCカード、家族カード
付帯保険 ショッピング

イオン、イオンモール、マックスバリュ、ダイエーなどイオングループの店舗をよく利用する人なら、年会費無料で国際ブランドをVISA、Mastercard、JCBから選べる「イオンカード(WAON一体型)」をサブカードとしてお得に活用できるはずだ。

・ポイントのお得な貯め方……イオングループでは常時1%還元

貯まるポイントは「ときめきポイント」。通常還元率は0.5%と高くないが、毎月10日はポイントが2倍になり1%還元になる。

イオングループの対象店舗では常時2倍の1%還元になり、毎月20・30日の「お客さま感謝デー」は5%オフで買い物ができる。55歳以上の会員は、毎月15日も5%オフになる。

カードに搭載できる電子マネーWAONの支払いでも、クレジット払いと同じく0.5%が還元される。イオングループのWAON POINT加盟店でのWAON払いなら、1%還元だ。

・ポイントの使い方……WAONに交換できる

「ときめきポイント」は、電子マネーのWAONに1,000ポイント→1,000円相当でチャージできる。WAONを日常的に使用していない人は、WAONポイントに交換するといいだろう。イオンやミニストップなどのWAONポイント加盟店で、1ポイント→1円として利用できるからだ。

その他にも、各種ポイントや商品券、商品など交換対象は豊富に用意されている。

・その他の特徴

このカードの優待で特に注目したいのは、イオンシネマで一般料金が300円引きになることだ。毎月20・30日の「お客さま感謝デー」なら1,100円になるので、イオンモールでのショッピングの際に映画も楽しむことがあるにとっては、非常にお得だ。

直近の年間クレジット利用金額が100万円以上の場合、年会費無料の「イオンゴールドカード」が発行されるので、より便利でお得になる。「イオンカード」には保険が付帯しないが、「イオンゴールドカード」には海外最高5,000万円、国内最高3,000万円の旅行傷害保険(利用付帯)と、年間300万円限度のショッピング保険が付帯する。

そのほか、イオン店舗内にあるイオンラウンジを無料で利用でき(2020年9月8日現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため休止中)、国内6空港(羽田・成田・新千歳・伊丹・福岡・那覇)の空港ラウンジも無料で利用できる。

イオングループ店舗をよく利用する人なら、サブカードとして必携のカードと言えるだろう。できれば1年間に100万円以上利用して、ゴールドに格上げしておきたい。

6-5,Amazon Mastercard ゴールド――Amazonで2.5%還元、プライムも無料

・Amazon Mastercard ゴールドの基本スペック……還元率2.5%でAmazonポイントが貯まる

年会費 1万1,000円(税込)
※年会費割引特典により4,400円(税込)まで安くすることが可能
国際ブランド Mastercard
通常還元率 Amazonでは2.5%
1%
ポイント付与条件 Amazonでの利用は商品金額×2.5%
Amazon以外では100円1ポイント
貯まるポイント Amazonポイント
追加カード ETCカード、家族カード、iD
付帯保険 海外旅行、国内旅行、ショッピング

Amazonをよく利用し、かつAmazonプライムに登録しているなら「Amazon Mastercard ゴールド」をぜひ検討してほしい。

このカードは国際ブランドがMastercard、年会費は1万1,000円(税込)。ただし、入会時に自動リボ払いサービス「マイ・ペイすリボ」に登録すると年会費は5,500円(税込)になり、翌年以降もその登録を維持したまま年1回以上のカード利用があれば、年会費は据え置かれる。リボ払い手数料を回避するには、カード利用代金の支払い方を工夫する必要があるが、この大幅な年会費値引きのメリットは大きい。

さらに、紙で発行される利用明細書の代わりにウェブ上で利用明細を確認する「カードご利用代金WEB明細書サービス」を利用すると年会費が1,100円(税込)値引きになるので、両方合わせると年会費は4,400円(税込)になる。

・ポイントの使い方とお得な貯め方……Amazonでは常時2.5%還元

貯まるポイントは、Amazonで支払いに充当できるAmazonポイント。通常のクレジット利用で1%還元、Amazonでの利用では2.5%という超高還元率になる。

・その他の特徴

このカードの最大の特徴は、Amazonプライムのサービスが無料で付帯することだ。通常は年間4,900円かかるが、「Amazon Mastercard ゴールド」を4,400円(税込)の年会費で保有した場合、Amazonプライムの付帯だけで年会費の元が取れることになる。

最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険が付帯する(自動付帯)。また、海外利用分と国内でのリボ払い分、3回以上の分割払い利用分について、年間300万円を限度に補償するショッピング保険も付帯する。

すでにAmazonプライムを利用しているか、これから利用しようと考えているなら、このカードは年会費を上回るメリットを与えてくれるだろう。通常還元率も十分高いので、利用方法によってはメインカードとしても活用できそうだ。

6-6,TRUST CLUB プラチナマスターカード――高級レストランで1名分無料、空港ラウンジサービスも

・TRUST CLUB プラチナマスターカードの基本スペック……還元率0.5%でTRUST CLUB リワードプログラム ポイントが貯まる

年会費 3,300円(税込)
国際ブランド Mastercard
通常還元率 0.5%
ポイント付与条件 100円2ポイント
貯まるポイント TRUST CLUB リワードプログラム ポイント
追加カード ETCカード、家族カード
付帯保険 海外旅行、国内旅行、ショッピング

「TRUST CLUB プラチナマスターカード」は年会費が3,300円(税込)、国際ブランドはMastercard。交換対象にもよるが、ポイント還元率は通常0.5%と決して高くない。

・ポイントのお得な貯め方……有効期限がない

このカードには、「TRUST CLUBポイントモール」という会員専用サイトが用意されている。楽天市場やYahoo!ショッピング、PayPayモールなどが入っているこのモールを経由すると、ボーナスポイントかキャッシュバックを受けられる。

このポイントには有効期限がないので、じっくり貯めて大きく使うことができる。

・ポイントの使い方……年会費充当がお得

貯まったポイントは楽天ポイントやポイントのほか、Amazonギフト券やJTB旅行券などにも交換できる。いずれも1ポイントを金額に換算すると0.25円になる。

8,000ポイントを年会費(3,300円)に充当することもできる。この場合1ポイントは0.4125円になり、還元率に換算すると0.825%だ。8,000ポイントを貯めるには、40万円分のクレジット利用があればいい。

・その他の特徴

プラチナという名前が付いているが、一般的なプラチナカードと比べると付帯サービスはかなり物足りない。ただし、「ダイニング by 招待日和」というサービスを利用できるのは大きい。

これは、全国約200店舗の対象レストランを2名以上で利用すると1名分が無料になるというもので、1ヵ月2回までという制限はあるものの、グルメを楽しみたい人にとってはメリットの大きいサービスと言える。

これは、通常はプラチナ以上のカードにしか付帯しないサービスだ。一般的にプラチナカードは、年会費の安いものでも2万円台だ。いろいろな高級グルメを試したいなら、この「ダイニング by 招待日和」だけのために「TRUST CLUB プラチナマスターカード」を作っても、メリットがある。例えば1人2万円のディナーを2人で利用する場合、1人分(2万円)が無料になるのだから、1回だけで年会費の元が取れる。

そのほか、国内主要空港と海外2空港(ハワイ・ホノルル、韓国・仁川)の空港ラウンジサービスや、最高3,000万円の海外・国内旅行傷害保険(利用付帯)、年間50万円限度のショッピング保険などが付帯する。

7,クレジットカードを複数枚使い分ける3つのデメリット

これまで複数枚のクレジットカードを使い分けるメリットやおすすめカードを紹介してきたが、デメリットについてもしっかりと把握しておきたい。

デメリット1,カードの管理が面倒になる

複数枚のクレジットカードを保有すると、その分管理の必要が出てくる。たとえば、特定の店舗で優待を受けられるカードがある場合、そこへ行くときだけそのカードを携帯するといった手間が生じるだろう。

また、毎月の利用明細のチェックもカードの枚数分、別々に必要なので手間だ。しばらく使っていないカードがある場合は、どうしても利用明細のチェックがおろそかになるため、不正利用されていてもすぐに気が付かないこともありうる。カードにもよるが、時間が経ってから気づいた場合、不正利用分が補償されないケースがある。こういった事態に陥らないように、使っていないカードであっても毎月の利用明細はチェックしなければならない。

デメリット2,ポイントが分散してしまう

複数のカードを使っていると、どうしてもポイントが分散してしまいまとまらないという事態に直面することがある。

特に、一定の単位までポイントが貯まらないと利用や交換ができないタイプのポイントサービスは注意が必要だ。その単位までポイントが貯まらないまま、有効期限がきて失効するケースもしばしばあるようだ。

メインカードとサブカードは同じポイントにまとめられるか、またその手続きは簡単にできるかなど含め、事前に必ず確認しておきたい。

デメリット3,キャッシング枠が設定されている場合、新たなカードを作りにくい

複数のカードでキャッシング枠が設定されている場合、新しいカードが作りにくくなる。これは、「貸金業者による貸付は年収の3分の1を超えてはならない」という、貸金業法における総量規制がその理由。

この規制があるため、すでに保有しているカードのキャッシング枠の合計が年収の3分の1に近い場合、新しいカードは作りにくくなる。これを回避するには、新しく作ろうとしているカードのキャッシング枠を0円にするか、あるいは、保有済のカードのキャッシング枠を減らすしかない。

8,複数枚使い分けを前提に一度クレジットカードの整理をしてみよう

保有できるクレジットカードの枚数に制限はない。しかし、上に挙げたデメリットを考えるなら、多くても3~4枚くらいに抑えたほうがよさそうだ。

それを前提に、改めて自分に最適のメインカードとサブカードの組み合わせを考えてみるといいだろう。その上で新しいカードを作ることになったなら、今後使わなくなりそうなカードを解約するなどして保有枚数を調整したい。

 

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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