VUCA時代に求められる人材とは?
VUCA時代では、それまでの時代に求められていたのとは異なる人材が求められます。
次に、VUCA時代に活躍できるのはどんな人材なのか、リーダーと一人ひとりのメンバー、それぞれに何が求められるのかを紹介します。
リーダーに求められるもの
VUCA時代のリーダーには、多角的な視点で物事をとらえ考える力、一人ひとりのメンバーを理解し引っ張っていく力が求められます。
多様化した価値観とニーズに対応するには、多角的に考える力がなくてはなりません。そのためには、常識や固定観念を疑い新しいアイデアを探していく「ラテラルシンキング」が役立つでしょう。
働く人の価値観も多様化し、お金を重視する人もいれば、やりがいや組織への共感を重視する人もいます。終身雇用が崩壊し転職が当たり前になったこともあり、頭ごなしの指導ではメンバーはついてこないでしょう。一人ひとりの考え方や持ち味を理解し、それを活かすマネジメントが必要です。
一人ひとりのメンバーに求められるもの
VUCA時代で働く人には、自ら考え主体性高く動く力や、高い自己分析力が求められます。
IT技術の進化により仕事は効率化されましたが、ビジネスの複雑性は増し、やるべきことはむしろ増えました。目まぐるしく変わる状況の中で、リーダーからの指示を待っているだけでは仕事がなかなか進みません。先を見通し、主体的に動き、時にリーダーに進言するような行動力が求められます。
働き方やライフプランの多様化は働く人の自由度を高めましたが、「どう働き、どう生きるか?」の選択を難しくしました。自分を深く見つめなおし、満足感の高い働き方・生き方を模索していかなければなりません。
これは自分の強みや弱みを見つけ活かすことにもつながります。多様化した価値観に対応するには、メンバー一人ひとりが自分の持ち味を知り、それを活かすことが役立つでしょう。
VUCA時代を生き抜くためのスキルは?
VUCA時代を生き抜くためには多角的に考え、主体性高く動く力が求められます。そのために役立つスキルを5つ紹介します。
圧倒的な行動力
VUCA時代を生き抜く力の土台ともいえるのが、「圧倒的な行動力」です。VUCA時代のビジネスはとにかくやることが多く、後述する通り、常にアンテナを張り広く情報を集めなければなりません。基本的な行動力は必須スキルです。
選択と集中のスキル
VUCA時代のビジネスはやるべきが多く、市場は複雑でさまざまなターゲットが考えられます。だからこそ、「やった方がいい」と思えることすべてをやるのは不可能ですし、ターゲット像が曖昧では「結局誰の心にも刺さらないビジネス」ができあがってしまいます。
情報を収集・分析し、やるべきことと切り捨てることを分ける、「選択と集中のスキル」が必要です。
広くアンテナを張る力
ビジネスを取り巻く要素が増え、トレンドや市場が目まぐるしく変化していくVUCA時代において、「広くアンテナを張る力」は欠かせません。
自分やチームの専門領域だけでなく、その周辺領域や一見無関係な領域にまでアンテナを張るのです。そうしなければ、成功や失敗の因果関係もつかめず、戦略を打ち立てることも難しいでしょう。
自他の内的モチベーションに働きかけるスキル
価値観の多様化したVUCA時代では、お金や社会的地位以外にも、さまざまなモチベーション要因があります。「自分の成長を楽しみたい」「この作業そのものが楽しい」「尊敬できるリーダーやチームメンバーに貢献したい」といったモチベーションを、内的モチベーションといいます。
内的モチベーションに働きかけるスキルは、VUCA時代のマネジメントに欠かせません。これはリーダーだけに求められるものではなく、一人ひとりのメンバーにとっても重要です。自分の内的モチベーションを見つけ出し、それにアプローチしていくことで、働くことへの満足度を高められるでしょう。
ビジョンを打ち出し周囲を巻き込む力
内的モチベーションがより重要となったVUCA時代では、「ビジョンを打ち出し周囲を巻き込む力」が重要です。この力が高いほど、チームは自走しやすく、メンバーは成長しやすくなるでしょう。
この力はリーダーにとって特に重要ですが、一人ひとりのメンバーも意識したいものです。自分の内的モチベーションやビジョンを開示し、それをほかのメンバーと共有しあうことで、チームの一体感は高まります。
このようなチームの心理的安全性は高く、発言や挑戦がしやすく、誰もが主体的に行動し続けられるようになるでしょう。