ラテラルシンキングのデメリット

ラテラルシンキングは万能の思考法ではありません。アイデアを広げて行くのには役立ちますが、前提条件や固定観念を崩して考えるため、生まれたアイデアは精査しなければなりません。

一つひとつのアイデアを精査するにはロジカルシンキングが有効です。課題や現状を分析し、アイデアを改善するにはクリティカルシンキングが役立つでしょう。

ラテラルシンキングの使い方

ラテラルシンキングの使い方を、現状の把握と打破の2段階に分けて解説します。ラテラルシンキングに役立つフレームワークも紹介するので、慣れるまでは、フレームワークに沿って考えてみましょう。

現状を把握する

ラテラルシンキングでは、まずは現状を把握することから始めます。現状を把握することで、解決すべき課題や新しいアイデアのもととなる事象が見えてきます。

前提や固定観念を疑い、打破する

現状を把握し、課題やアイデアが見えてきたら、現状を打破するうえで障害になるものを探しましょう。その障害は本当に障害となりえるのか、前提や固定観念を疑い、課題解決やアイデア実現の道を探るのです。

突飛に思えるアイデアも切り捨てず、書き留めておきましょう。まずはいくつもアイデアを出し、後から精査すればいいのです。

ラテラルシンキングに役立つ「オズボーンのチェックリスト」とは

ラテラルシンキングに役立つフレームワークに、「オズボーンのチェックリスト」が挙げられます。次の9つの視点で、アイデアを広げていきます。



  • 転用:既存のアイデアを改善することで、ほかの用途に使えないか




  • 応用:似たようなアイデアはあるか、参考となる前例はあるか




  • 変更:色や形、意味など、新しい視点から考えられないか




  • 拡大:大きさや時間といったスケールを拡大することで何が得られるか




  • 縮小:サイズを小さくしたり時間を短くしたりすることで何が得られるか




  • 代用:既存のものではなく、ほかの材料やアプローチで代用できないか




  • 再配置:要素やパターン、流れを変えることで何が得られるか




  • 逆転:今と真逆の流れやアプローチにすることで何が得られるか




  • 結合:ほかのアイデアや目的を組み合わせることで何が得られるか



ラテラルシンキングの鍛え方

ラテラルシンキングに限らず、思考力はいきなり高められるものではありません。日頃から考えを深め、鍛えていかなければなりません。

ラテラルシンキングを鍛える3つの方法を紹介するので、普段の生活や仕事に取り入れてみましょう。

普段から前提や常識を疑う

ラテラルシンキングでは物事を多角的に考え、横方向にアイデアや思考を広げていきます。前提や常識にとらわれていては、思考の幅が制限されてしまいます。

普段から常識を疑い、「普通はAと考えるが、Bのように考えられないだろうか」と、前提を崩す練習をしておきましょう。

物事の本質を深掘りする

思考やアイデアを広げていくために、物事の本質を深堀りして考えるクセをつけましょう。アイデアをただ出すのではなく、「どんな人の、どんな課題を解決すると喜ばれるだろうか」と考えてみること。その課題の根底にはどんな欲求があるのかをとらえることが重要です。

リフレーミングの練習を積む

ラテラルシンキングを鍛えるために、リフレーミングの練習をしてみましょう。リフレーミングとは、物事のとらえ方を変えてみることです。

たとえば商談で失注したとしても失敗したととらえるのではなく、「このタイプの人に、このアプローチは響きにくいとわかった」と考えることで、次の成功率が高まります。ネガティブに感じることをポジティブにとらえなおすことで、失敗からより多くを学び、成功に近づけるでしょう。