ラテラルシンキングの例題
ラテラルシンキングの例題として特に有名なのが「ウミガメのスープ」です。
ある男が、とある海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文した。
スープを一口飲んだ男は、それが本物の「ウミガメのスープ」であることを確認し、勘定を済ませて帰宅した後、自殺した。一体、なぜ?
参照:ウミガメのスープ(ポール・スローン)
ウミガメのスープでは前提条件は何も与えられず、すでにある根拠や事象から考察するロジカルシンキングやクリティカルシンキングでは答えを導き出せません。男が自殺した理由を考えるには、創造的で自由な発想が必要です。
そこでラテラルシンキングが役立ちます。ウミガメのスープの問題では、回答者は出題者に「はい」「いいえ」「関係ありません」のどれかで答えられる質問ができます。質問を通してさまざまな可能性を検証していくことで、少しずつ答えに近づいていけるのです。
ちなみに、ウミガメのスープの正解は次の通りです。
男はかつて数人の仲間と海で遭難し、とある島に漂着した。食料はなく、仲間たちは生き延びるために力尽きて死んだ者の肉を食べ始めたが、男はかたくなに拒否していた。見かねた仲間の一人が、「これはウミガメのスープだから」と嘘をつき、男に人肉のスープを飲ませ、救助が来るまで生き延びさせた。男はレストランで飲んだ「本物のウミガメのスープ」とかつて自分が飲んだスープの味が違うことから真相を悟り、絶望のあまり自ら命を絶った。
参照:ウミガメのスープ(ポール・スローン)
ラテラルシンキングのメリット
ラテラルシンキングには、次のようなメリットがあります。
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失敗からより多くを学べる
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失敗が成功につながる
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前提条件を崩して考えられる
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突飛なアイデアや抜け道を見つけやすい など
ラテラルシンキングでは、失敗と思えるような出来事も単なる失敗ととらえず、そこから考えを広げていきます。「失敗は成功のもと」と昔から言いますが、失敗に見える結果をそのまま製品化したり、失敗から多くを学び取り成功に近づいていくことができるでしょう。
たとえば「粘着力の弱いのりを付箋として売り出した」というケースもこれにあたります。粘着力が弱くなったことを失敗ととらえるのではなく、「はがれない方がいい」という前提条件を崩した結果、付箋という新しい製品が生まれたのです。