エバンジェリストと他の職種との違い

エバンジェリストと混同されやすい職種として、営業・広報やコンサルタントが挙げられます。これらの職種とエバンジェリストの違いについて解説します。

営業・広報との違い

営業・広報とエバンジェリストでは、まず目的が異なります。営業は自社製品を導入してもらうこと、広報は自社やその製品の認知度を高めることが目的なのに対し、エバンジェリストの目的は「自社製品の必要性を理解してもらうこと」です。

営業・広報と比べたとき、エバンジェリストは見込み客の獲得や育成する役割といえます。エバンジェリストが自社製品の必要性を説き、必要性を理解したユーザーに営業がアプローチをかける、という流れをイメージするとわかりやすいでしょう。

コンサルタントとの違い

エバンジェリストとコンサルタントは業務内容が似ていますが、対象とするユーザーが異なります。

コンサルタントは自社と契約した特定の企業・個人に対してサポートやプレゼンテーションを提供するのに対し、エバンジェリストの対象は不特定多数です。1対1か、1対多かが、両者の大きな違いといえます。

エバンジェリストの主な仕事内容

エバンジェリストがどのようにしてIT技術や自社製品について啓蒙するのか、主な仕事内容を紹介します。

プレゼンテーション

プレゼンテーションは、エバンジェリストの軸となる仕事です。イベントや展示会などで不特定多数にIT技術や自社製品についてプレゼンテーションし、その必要性を理解してもらうことで、見込み客の獲得・育成ができます。

ここで重要なのは、IT技術や自社製品について理解してもらうことよりも、その必要性を理解してもらうことです。エバンジェリストの最終的な目的は自社製品の導入や認知拡大、ブランディングだからです。

話を聞いた相手が何らかのリアクションを起こすよう、プレゼンテーションの内容を工夫したり、相手にアプローチしたりしなければなりません。

個人デモンストレーション

1対多で話すことの多いエバンジェリストですが、自社製品のユーザーや、導入を検討している見込み客には個別デモンストレーションをすることもあります。

個別デモンストレーションでは、相手の課題やニーズを深堀りし、それを踏まえた提案や啓蒙ができなければなりません。

インナーマーケティング

エバンジェリストは社外だけでなく、社内に向けた啓蒙活動をすることもあります。これを「インナーマーケティング」といいます。自社の製品やブランド、技術について、従業員の理解度を深める仕事です。

サービスの研究と資料作成

エバンジェリストは自社の製品やブランドについて深く理解していなければなりません。そのための研究や、プレゼンテーション等で使う資料の作成も、エバンジェリストの仕事です。

ITに関する最新の技術やトレンドについても、常に情報収集しなければなりません。広くアンテナを張り、世の中の流れに合った啓蒙や提案ができるようになりましょう。