マンションの購入のタイミングについて悩んでいる人も多いだろう。
「結論、マンションを購入するのは今ではなく、2025年以降に価格が下落してからのほうが良い」
こう断言するのは不動産のプロだ。では、なぜマンションの価格が下落するのだろうか。不動産・金融ライターの高槻翔太さんに3つの観点から語っていただいた。
空き家が増加する
2025年以降は超高齢化社会になるといわれている。
具体的には、65歳以上が3人に1人の割合になり、75歳以上が5人に1人の割合となる。
超高齢化社会になると、高齢者が介護施設などに移ることで空き家の物件が増えることが予想される。
空き家が増えてしまうと住宅が余ることになり、不動産所有者が売却する際には売却価格を下げてでも売却することになる。
その結果、市場の不動産の価格は下落する。
相続発生による売却が増加する
超高齢化社会とつながるが、高齢者が増えることで相続の発生件数も増えるだろう。
相続が発生した高齢者と家族が同居していれば、不動産を売却することはないかもしれない。しかし、親とは同居をしていない家庭も多いだろう。
そのような場合、利便性が低い地域や老朽化が進んでいる住居は建物を維持できなくなるため、売却することになる。
その結果、市場に不動産の供給数が増加することになり、不動産の価格が下落することが予想される。
生産緑地問題
生産緑地問題とは、1992年に生産緑地法が改正された際に「生産緑地」と指定を受けた農地が、2022年に一斉に解除されることによって不動産市場に影響を与える問題のことだ。
生産緑地は広大な土地でも税制が優遇されるため、多くの農家が生産緑地の指定を受けている。
東京都の生産緑地の面積は約3,000haにも及んでいるため、仮にこれがすべて宅地となりマンションの開発をしたら不動産市場が荒れるのは目に見えている。
当然、すべての生産緑地指定者が生産緑地を解除するわけではないとはいえ、次世代の人たちが農家を続ける意思がなければ宅地化されるか、もしくは売却をすることになるだろう。
こうした生産緑地問題によって不動産市場が荒れ、マンションなどの供給数が増えれば当然、不動産の価格は下落することになる。
マンションを購入するなら今ではない!
マンションの購入は、多くの人にとって一生に一度(もしくは二度程度)の買い物となるだろう。
不動産の価格は大きなもの。その大きな価格の買い物で失敗をしないためにも、購入するタイミングは慎重に考えたい。
文・高槻翔太(不動産・金融ライター)
不動産・建設の土地有効活用のコンサルティング営業を6年、人材業界の法人営業を半年間経験し現職。FPや顧客の資産運用の経験をもとに、不動産や金融メディアで執筆を行っている。
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