「BMI」と聞くと、肥満度を示す指標を思い浮かべるかもしれない。しかし、もう1つの意味がある。「ビッグマック指数」(Big Mac index)だ。

各国の通貨の購買力格差を示すために使われるもので、日本円のビッグマック指数も算出されている。その結果を知ると、日本の先行きに不安が募るばかりだ。

日本のBMIは実に「-45.1%」

ビッグマックは、ハンバーガーチェーン世界大手の「マクドナルド」で販売されている商品のひとつであることは有名だ。

このビッグマックのアメリカにおける販売価格を基準とし、各国それぞれの通貨でどれくらいの価格で販売されているのかを調べることで「BMI」が算出される。

算出元はイギリスの経済紙『エコノミスト』で、毎年数値を発表している。最新のデータではスイスが「+30.3%」で1位、ノルウェーが「+21.6%」で2位となっている。

一方、日本は「-45.1%」で41位となっており、全体でもかなり下位となっている。

つまり、日本ではビッグマックがアメリカよりも大幅に安い価格で購入できるということだが、このことがなぜ日本の先行きに暗い影を落とすのか…。

その理由は、ビッグマック指数はその通貨の「購買力」を示しており、ビッグマック指数がマイナスになることは、円の価値がドルに比べて大きく過小評価されているということになるからだ。

米国でビックマックを食べようとすると…

一見、ビッグマックを安く食べられることは、日本人にとっては嬉しいようにも感じる。

しかし、アメリカで日本円をドルに換金してビッグマックを買おうとした場合、日本でビッグマックを購入する場合の2倍に近い日本円が必要になる(※この調査は2022年7月に発表されたものであるため、あくまでその時点のデータとして見てほしい)。

こう見ると、日本がいかに貧しくなったかが分かると思う。日本人は、日本ではある程度の生活ができる状況が続くかもしれない。しかし、世界からは「貧乏人」だとみなされるようになり、長期の海外旅行中などは日本に住んでいるときよりも生活水準を落とさざるを得ないことになるかもしれない。

ちなみにビッグマック指数は、以下のエコノミストの公式ページから閲覧することが可能だ。数値や順位は毎年変わっていくので、日本円の購買力はどう変化しているのか、ぜひ今後もチェックしてみてほしい。

参照:The Big Mac index|The Economist

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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