MBOの導入に向いている企業の特徴

MBOの導入に向いているのは、成果主義制度を採用している企業です。日本には慣習的に多くの会社で用いられてきた年功序列制が存在します。これは成果や結果に関係なく勤続年数に応じて昇級したり年収がアップしたりする仕組みで、現在の日本の企業でも採用されています。

しかし、近年は企業の競争が激しく、また市場や社会が変化するスピードが早いため、企業は従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮して成果を出す成果主義を評価制度に導入する方向にシフトしています。

MBOは社員一人ひとりの目標達成度合いを昇格や賞与などに反映できる手法なので、そうした成果主義・能力主義を採用している企業には適しています。

MBOの目標管理方法の3つの種類

MBOを活用して目標を管理するには、大きく分けて3つの方法があります。自社で重視するポイントを押さえながら目標設定・目標達成が目指せる管理方法を選択しましょう。「組織活性型」「課題達成型」「人事評価型」と、それぞれの特徴を解説します。

組織活性型

「組織活性型」は、3種類のなかでもっともオーソドックスな目標管理方法です。従業員が自ら目標を決めて、主体的かつ強い意思を持って目標の達成を目指します。原則、ボトムアップ形式がされており、組織としてのチームワークが強化されやすいのが特徴です。

一方で、目標を定めることを重視しがちなのはデメリット。目標を達成するために何をするのか、どんなことから取り組むのかなどプロセスや計画が不明瞭になってしまいやすい傾向にあります。評価の部分が曖昧になり、適切に評価しにくい点は留意しておきましょう。

課題達成型

「課題達成型」は、会社としての目標を考慮して個人が目標を設定します。企業目的の達成が重要視されるトップダウン形式を原則としているのが特徴です。

課題達成型のメリットは、個人目標の達成が企業目的の達成に直結すること。前任者が辞職や休職をした場合でも目標は同じ部署の従業員に引き継がれるため、引き続きチームで目標達成を目指せるのもポイントです。

一方で、目標達成が大きくなりやすいのは留意点。メンバーのモチベーション低下を避けるためにも、目標レベルの調整は大切です。

人事評価型

「人事評価型」は、組織活性型と同様ボトムアップ型を原則としています。人事的な評価項目を設けて、役職に関係なく公正に評価できるのが特徴。目標達成度合いと業務への取り組みを評価し、従業員の能力開発に繋げます。年功序列制度の課題点を解決するために導入された管理方法です。

留意したいのは、個人目標の達成が業績アップに繋がりにくいこと。従業員が人事評価のために業務に取り組む可能性があると知っておきましょう。