レガシーシステムの2つの対策方法
レガシーシステムに対しては、主に下記の2つの対策方法があります。
● マイグレーション
● モダナイゼーション
それぞれ順番に解説します。
マイグレーション
マイグレーションとは、英語の「Migration」が語源になっているとおり、システムやデータを別環境に移転させることを指します。レガシーシステムにある機能やデータを、段階を踏んで最新環境に置き換えることで、レガシーシステムからの脱却を図る方法です。
なお、マイグレーションは下記の手順にて行われます。
- 現状分析:今あるデータ等の資産を棚卸しするとともに、レガシーシステムの内容を踏まえて要件定義や移行の方針を決定する
- 開発:レガシーシステムに言語の書き換えやシステムの再構築など、移行に必要な開発を行う
- テスト・移行:新システムが正常に機能することを確認後、実際に新環境に移行する
- 運用:実際に現場で使用する。最初は旧システムと併用することが多い
既存のシステム構造を新しいシステム・環境で再現できることから、完了後は非常に快適にシステムを使用できるでしょう。
モダナイゼーション
モダナイゼーションとは、英語の「modernize」から来ているとおり、今あるレガシーシステムを近代化することです。すでにレガシーシステム内にあるデータやプログラムは生かしつつ、稼働しているソフトウェアやハードウェアを最新の技術が搭載されたものに置き換えます。
現行機能を受け継ぎつつ、老朽化したシステムを最適化できることから、非常に利便性が高いです。なお、モダナイゼーションの手法としては、下記の3つが挙げられます。
● リプレイス:レガシーシステムを新しいシステムに置き換える手法
● リホスト:古いハードウェアで稼働していたシステムを、クラウドなどの新しい環境で使用できる状態にする手法
● リライト:レガシーシステムを新しい言語で記述することで、最新のOSに対応できるようにする手法
それぞれの手法によって異なるメリットがあるため、先述したマイグレーションも選択肢に入れつつ、自社のレガシーシステムにどのようにアプローチすれば良いのかを考えることが大切です。
レガシーシステムのオープン化によるメリット
オープン化とは、一般的に仕様や技術が公開されているOSやハードウェアを組み合わせてシステムを構築することです。
オープン系のシステムにすることで、拡張性や汎用性が高まるうえに、柔軟なシステム運用が可能です。オープンにされているOSやハードウェアの開発者が、随時最新の技術が搭載されたものにアップデートを行ってくれることも、大きな魅力と言えるでしょう。
また、オープン系のシステムであれば、システムの修正等も比較的容易に行えるため、万が一システム障害があったとしても早急に復旧できる可能性が高いです。技術の発展スピードが早い現代では、自社でシステムを抱える以上に大きなメリットを得られるでしょう。