なぜレガシーシステムになってしまうのか?
レガシーシステムになってしまう理由として、主に下記の4点が挙げられます。
● 常に新しい技術が出てきて対応できない
● 担当者が退職してしまっている
● システム会社に依存している
● そもそもDX化しようとしていない
それぞれ順番に解説します。
常に新しい技術が出てきて対応できない
近年の情報技術の発展速度はめざましく、常にと言って良いほど新しい技術が生まれています。その新しい技術に対して常に追いかけ続けるとなると、企業にとっては大きな負担です。
そのため、継続して既存のシステムを使い続けた結果、システムがレガシー化してしまうのです。また、レガシー化してしまうと、新しい技術を取り入れることがより難しくなり、さらにそのシステムを継続的に使用することでレガシー化を促進してしまうという、負のスパイラルに陥ってしまいます。
担当者が退職してしまっている
そもそも、レガシーシステムとなったシステムを新しくしたいと考えても、システムの開発担当者がすでに退職してしまっており、それが原因でシステムを変えられないというケースも多く見られます。先述したとおり、2025年までに、レガシーシステムの開発者世代のエンジニアの大半は退職してしまいます。
システムを開発したエンジニアが退職していることで、システム内部がブラックボックス化してしまい、結果としてレガシーシステムを新しくすることが困難になってしまっているのです。
システム会社に依存している
多くの企業では、システムの開発やメンテナンスをシステム会社に委託しています。しかし、その委託先であるシステム開発会社が、レガシーシステムに対応した技術しか持ち合わせていない場合、当然ながらレガシーシステムのままシステムを運用することになります。
その一方で、システム会社を変えようとすると、既存のシステムが使えなくなったり、より大きな予算がかかったりしてしまうため、先延ばしにしてしまうケースも非常に多いです。
このように、委託先のシステム会社によってがんじがらめになっているケースも多く見られます。
そもそもDX化しようとしていない
そもそも、DX化を考えていないことから、レガシーシステムを使用し続けている企業も多く見られます。経済産業省は積極的にDX化を推進しているものの、DX化しないことによるデメリットが顕在化されていないことから、DX化を考えていない企業も非常に多いのです。
DX化に関する知見や重要性が少ないことによって、レガシーシステムを使用し続けることによるデメリットも考えられていないのです。
レガシーシステムのままだと起こり得る問題
レガシーシステムのままシステムを運用すると、主に下記の2つの問題が発生する恐れがあります。
● システム障害が起こる
● ビジネスにも影響が出る
それぞれ順番に解説します。
システム障害が起こる
レガシーシステムでは、最新のプログラムや膨大なデータに対応できないことによって、システム障害が発生するリスクが非常に高くなります。また、修正や改変を繰り返した結果、システムが複雑化してしまい、システムの内部の構造が分からなくなる「スパゲティ化現象」が起こることも多く見られます。
この現象が起きると、システム障害が発生したときの復旧作業に非常に時間がかかったり、システム障害が重症化するリスクが高くなるため、大きな損害をもたらす可能性があるのです。
ビジネスにも影響が出る
レガシーシステムのままだと、業務パフォーマンスの低下を招く可能性が非常に高くなります。単純に技術が古いため、最新の技術を用いたシステムと比べると処理速度が遅かったり、エラーの頻度が高くなったりします。これらの要因によって、ビジネスに大きな悪影響が出てしまうのです。
また、システムによっては法改正などの変化によって内容を変更しなければならないものもあります。レガシーシステムでは、これらの変化についていくことが難しく、業務が滞ってしまうこともあるでしょう。