コンピテンシーと関連する言葉との違い
コンピテンシーは才能・能力などの意味を持つ言葉です。同様の意味を有するビジネス用語はいくつかあります。適切なシーンで適切に使えるように、関連するそれらの言葉の違いを理解しておきましょう。
コア・コンピタンス
「コア・コンピタンス」とは、他社には真似できない企業の中核となる強みのことです。例えば、セブン銀行の手数料収入のビジネスモデルは、日本全国にある店舗網を自社の強みとして活かした事例のひとつです。
コア・コンピタンスが組織的な観点であるのに対して、コンピテンシーは個人の観点であるのが違い。また、コア・コンピタンスはコア・コンピテンシーという使い方をされることもあります。
アビリティ
「アビリティ」は英語の「abillity」を語源とする言葉で、能力・才能・技量などの意味を持ちます。コンピテンシーにも同様の意味がありますが、ビジネスシーンにおいては行動特性を指す場合に使われるのが大きな違いです。
また、アビリティは個人の力量や才能そのものを指します。コンピテンシーは評価の基準として用いられる概念なので、その点も違いといえるでしょう。
スキル
「スキル」とは、努力や経験により身につけた能力のことをいいます。アビリティと同じ意味を持ちますが、スキルが後天的な能力を指すのに対して、アビリティは先天的な才能のことを指します。
スキルが能力や才能そのものに使われる一方で、コンピテンシーは能力を発揮するための行動特性を示すのに使われるのが大きな違いです。
ケイパビリティ
「ケイパビリティ」は、英語の「capabilities」が語源です。英語の意味としては「才能」「能力」などを指すものの、ビジネスシーンでは組織的な能力を指す場合に使われるのが一般的です。
コンピテンシーとの違いは、個人に対して使われるのか、組織に対して使われるのかという点。コンピテンシーは個人が持つ成果を出すための行動特性を指し、ケイパビリティは企業が有する組織的な能力を指します。
コンピテンシーモデルの項目一覧
コンピテンシー研究機関「Spencer&Spencer」のコンピテンシーディクショナリーによると、コンピテンシーモデルの項目は以下の6つの大項目と、20の中項目に分類されます。
【達成・行動】
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達成思考
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秩序、品質、正確性への関心
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イニシアチブ(率先力)
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情報収集
【援助・対人支援】
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対人理解
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顧客支援方向
【インパクト・対人影響力】
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影響力
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組織感覚
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関係の構築
【管理領域】
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他者の育成
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指導力
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チームワークと協力
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チームリーダーシップ
【知的領域】
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分析的志向
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概念的志向
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技術的・専門職的・管理的専門性
【個人の効果制】
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自己管理
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自信
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柔軟性
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組織コミットメント