3. 大原美術館は彫刻・陶器・版画・石仏なども

大原美術館は、絵画だけでなく彫刻や工芸品まで鑑賞できるのも特徴です。

3.1 彫刻、工芸品も充実:ロダンの『洗礼者ヨハネ』

【倉敷・観光】大原美術館の見どころを徹底レポート!名画からイベント情報までをお届け
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<『洗礼者ヨハネ』 オーギュスト・ロダン>

本館入口ではロダンの彫刻がお出迎え。この彫刻も、児島虎次郎がパリのロダン美術館に出向いて交渉した結果、倉敷に辿り着いたものです。

3.2 『カレーの市民ージャン・デール』

こちらは2体目のロダン彫刻。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

<『カレーの市民ージャン・デール』 オーギュスト・ロダン>

第2次世界大戦中には金属類の不足により、日本中で銅像や美術品が国に供出され、武器や工業品に変えられてしまいました。しかしこの銅像は供出を惜しむ声があり、金属供出をかいくぐったことでも知られています。岡山県内で確認されていた170体の銅像のうち、戦後まで残ったものはこの2体を含め、たったの7体だそうです。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

本館を出てまっすぐ進むと、写真の奥左手に陶器・染色・版画や東洋の古美術などが展示されている「工芸・東洋館」があります。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

ごつごつした色合いを持つ、河井寛次郎の『三色釉扁壺』(さんしょくゆうへんつぼ)。焼き物に色や光沢を付ける「釉薬」(ゆうやく)を、壺の表面に叩きつける「打釉」(だゆう)という技法で色付けされています。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

写真右手前にある青い鉢『緑釉六方鉢(りょくゆうろっぽうばち)』は、作者・河井寛次郎が「出来が気に入らない」と軒下に放置したものを、大原孫三郎がたまたま見つけて持ち帰ったものだそう。それが今や、工芸・東洋館有数の人気作品に。

「わしの眼は10年先が見える」という言葉を残している大原孫三郎。ここまで先が見えていたのでしょうか?

3.3 美しいステンドグラスも!工芸・東洋館は建物にも注目

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

本館に劣らず、工芸・東洋館も建物の随所に工夫が凝らされています。太陽の光が差し込むこのステンドグラスは、ガラス作家・小谷真三が手掛けたもの。

写真の奥側から歩いてくると、ステンドグラスから漏れた光がほんわりと道標になってくれて、その先に何があるのか期待させてくれます。

歩くことが楽しくなる仕掛けは、足元にもありました。建物に入ると、来館者は目ではなく、まず耳と足元に驚くことになります。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

実は、この建物の入り口2室の床は栗の木でできていて、歩くと「ポコポコ」「カチャカチャ」などと、不思議な音をたてます。この不思議な床は、特に子どもに人気のようです。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

<棟方志功室>

蔵の内側はこうなっているのですね!もともと大原家の米蔵として使用されていたもので、随所にその名残が見られます。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

中国・北魏の時代(386〜534年)に彫られた『一光三尊仏像』は、国の重要文化財に指定されています。この仏像は河南省新郷県にあったもので、仏像を売却した資金は学校の修繕にあてられたそうです。

4. 大原美術館の自宅庭園に咲くクロード・モネの「睡蓮」

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

工芸・東洋館の中庭にある「モネの睡蓮の池」にもぜひ立ち寄ってください。淡い色の花を咲かせるこの睡蓮は、画家クロード・モネの自宅庭園(フランス・ジヴェルニー村)から株分けされたもの。つまり、モネが『睡蓮』を描き上げる際、つぶさに観察していた正真正銘の「睡蓮のご子孫」なのです!

取材日は2019年最初の睡蓮の花が開いたタイミングでお伺いし、貴重な「令和・初」のモネの睡蓮を見ることができました。

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

葉に大きな窪みと葉脈がある睡蓮は、陽の照り方が変わるごとに全く違う表情を見せてくれます。中庭の「睡蓮の池」は6〜10月が見ごろ。色は徐々に濃くなっていくそうです。

クロード・モネの絵画と同じように、睡蓮が咲く池を眺めてみませんか?

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

<画像提供:大原美術館>

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(画像=『たびこふれ』より 引用)

夏は陽射しが強いので、中庭散策には日傘が活躍しそうです。モネのもう一つの名作、『散歩、日傘をさす女性』を体感することができるかもしれません!