カナディアンカヌーのパドリングの基本

フォワードストローク

【連載】カナディアンカヌーフィッシングの準備は?パドリングから心構えまで解説!
(画像=『暮らし〜の』より 引用)

一般的にカナディアンカヌーで使用するパドルは片側にだけ羽根の付いた「シングルブレード」と呼ばれるものが主流になります。通常はなるべく前方遠くの水を掴み、カヌーの船体沿いに真っ直ぐ水を搔いていきます(フォワードストローク)。当然片側ばかりを漕いでいると逆方向にカヌーは曲がって行きますので、左右を入れ替えながら(パドルチェンジ)のパドリングになります。海上にそよ風が吹いているようでしたらそれを利用して、風の来る逆側だけをパドリングして真っ直ぐ進みます。

Jラダーストローク

無風状態の海上を魚群探知機などを見ながら移動するには「Jラダーストローク(Jストローク)」が有効です。この漕法はカヌーの片側だけをシングルブレードパドルで漕ぐ漕法です。まず普通にフォワードストロークをし、抜き際にパドルヘッドを手首を返し内側に向け、パドル背面を外に押し出すようにします。真上から見て「J」の字を描くイメージです。するとカヌーの船首がパドルを入れている側に向きますから、常に真っ直ぐ進みます。優雅でカッコイイのと同時に、パドルチェンジが無いので海水の飛び跳ねも喰わなくて済む長所があります。

実釣に役立つパドリング

ダブルブレードパドル

【連載】カナディアンカヌーフィッシングの準備は?パドリングから心構えまで解説!
(画像=『暮らし〜の』より 引用)

この記事は単なるカナディアンカヌーの上手な乗り方を紹介するものではありません。パドリングが実釣に役立たなければなにもなりません。そこで一番役立つパドリングをお教えいたします。それは「ダブルブレードパドル」を使ったフォワードストロークです。理由はいくつかありますが、常に前進方向にストロークしているために現場に素早く到着できること。そしてカヌーのセンターで両サイドを交互にストロークしますから、安定が良いこと。何よりパドルを持ち替える手間が無いため、多少の風などならば充分戦えること。短所の少ないパドリングです。

ダブルブレードパドルの使い方

【連載】カナディアンカヌーフィッシングの準備は?パドリングから心構えまで解説!
(画像=『暮らし〜の』より 引用)

まずはパドルを肩幅より少し広めに持ちます。目安はパドルを頭に乗せた状態で肘が直角になるようにします。通常ダブルブレードパドルは左右で直角の角度が付いています。これを「利き手を固定」してフォワードストロークができるように持ちます。逆側をストロークする時は「オートバイのアクセルをひねる」感じで利き手を回転させます。するとあら不思議、逆側がフォワードストロークにピタリと合います。これの繰り返しで前進して行きます。

ダブルブレードパドルの特徴

【連載】カナディアンカヌーフィッシングの準備は?パドリングから心構えまで解説!
(画像=『暮らし〜の』より 引用)

最近のシーカヤックなどでは左右のブレードが同じ角度で付いているものが主流になっているようですが、ブレード幅の広いダブルブレードパドルを使う場合は、やはり角度付きのものが(慣れれば)扱い易いと思います。これには理由がありまして、特に風に弱いカナディアンでは水を搔いていない方のブレードが風の抵抗をまともに受けてパワーロスをする短所があります。また握り手近くに丸いゴムが装備されているのに気が付かれると思いますが、これはパドルを伝って海水が手に掛からないようにする役割があります。

  • 強風時や速度が必要な時の裏ワザ

風の影響を受けやすいカナディアンカヌーですが、あまり風に左右されずに漕ぐ方法があります。それは「膝立ち乗り」です。カナディアンカヌーは座席位置が高く、もともと「エッサ、ホイサ」と漕ぐのに適してはいません。速度を出したかったり、波風の影響を受けたくない時は座席から降りて膝立ちで漕いでみましょう。驚くほど安定し、またスピードも出ます。コツは「腰から下を左右に振りながら艇を安定させる」ことです。急にパドリングが上手になった気がしますよ。