確定申告で節税する方法
ここまで、確定申告の概要から、提出するまでの流れを整理してきました。正直、以上の内容をしっかり把握できていれば、確定申告自体は問題なくできるでしょう。
しかし、皆さんのなかには、ただ確定申告を済ませるだけでなく、確定申告の際にできるだけ税金を抑えたい方も多いはず。そこで、以下では確定申告で節税する方法を解説します。
方法1. 経費をしっかり申告する
所得額が「収入-経費(-控除)」の計算で決まる以上、節税するには「収入を減らす」「経費または控除額を増やす」のが基本です。この中で最もかんたんで、かつ手取り収入増加に直結するのは、経費を増やすことです。
ただし、意味もなく高い設備を購入して「これ経費だから節税!」と経費を使いまくるのは、結局手取り収入が減るだけなのでおすすめしません。あくまで、普通に働くうえで発生する経費をもれなく記帳し、しっかりと申告する王道のアプローチが一番です。
一見、皆さんの感覚では経費として認められなさそうな支出でも、経費として認められるケースはあります。ただし逆パターンもあるので、本気でギリギリまで節税したいと考えた場合、素直に税理士を頼るのがおすすめです。
方法2. 控除、源泉徴収額の漏れに気を付ける
経費をしっかりまとめられたら、次は漏れがちな控除、源泉徴収額をしっかり把握することが大切です。たとえば、国民年金や報酬から天引きされる源泉徴収額は、普段だと支払っている実感がなく、つい存在を忘れがち。
控除額や源泉徴収額は、一般的に11月ごろになったら金額の通知書が送られてくるため、それを見て申告書に反映しましょう。
方法3. 青色申告、電子申告を利用する
青色申告の控除額は節税に直結します。しかし、普通に青色申告するだけだと、控除額は55万円。最大額である65万円の控除を獲得するには、以下どちらかの条件に該当する必要があります。
- 申告する年の帳簿類(仕訳帳、総勘定元帳)を電子帳簿保存している
- e-Taxで電子申告している
電子帳簿保存も便利ではありますが、会計ソフト側の対応状況に左右されるなど、少しハードルが高いのも実情。65万円控除だけをねらうなら、e-Taxに対応したほうがお手軽です。
確定申告をラクに済ませる方法
確定申告で節税したい方と同じくらい、できるだけラクに確定申告を済ませたいと思う方も多いのではないでしょうか。
そこで、最後にできるだけ確定申告をラクに済ませる方法を考えてみます。
方法1. クラウド会計ソフトを利用する
先ほどから口が酸っぱくなるほど触れている通り、クラウド会計ソフトを利用すると確定申告に関する作業時間や手間を大幅に削減することができます。「フリーランスがクラウド会計ソフトを使う以外の方法で確定申告をする選択肢はない」と言い切ってしまってもいいくらいです。
クラウド会計ソフトは「freee」「マネーフォワード」「弥生」の3社が90%以上のシェアを獲得しており、原則はこの3サービスのいずれかを利用することになります。会計初心者の場合、個人的にはfreeeかマネーフォワードの利用がおすすめです。
方法2. 税理士に外注する
一番ラクで節税効果も高く、かつ間違いのない確定申告をするための方法が、税理士への外注です。当たり前ですが税理士は税務のプロであり、私たちでは思いつかなかった節税対策を、適切なタイミングで助言してくれるでしょう。
さらに、昨今の税理士事務所は単に記帳を代行するだけでなく、経営のアドバイスまで行ってくれるケースも多いです。
しかし、税務のプロを頼る関係上、とにかくネックになるのが外注費用。本業フリーランスの場合、最安値でも「10万円~/年」が相場となり、駆け出しフリーランスが支払う額としては現実的とは言えません。
事業が軌道に乗り、お金に余裕が出てきた段階で税理士への外注を検討するのがおすすめです。