WBSを活用するときの注意点
WBSを活用する際は、タスクをなるべく細かく洗い出すようにしましょう。また、動詞の形で書き出すのも重要なポイントです。プロジェクトの進行において、タスクの抜け漏れがないようにするために大切なことです。
ただし、最終的な目標に近いタスクほど、計画の立案時には作業内容が不明瞭になりやすいのは留意点。その場合は無理に細分化せず、進捗状況を見ながらタスクを決めたり、修正したりしましょう。
そうした場合には、WBSのコピーを用意しておくのも重要。プロジェクト後半でタスクに変更があったり、追加などがあったりした際に素早く対応できます。
WBSの活用が向いているシーン・業務
WBSには、「プロセス軸」と「成果物軸」の2種類があります。構造の軸に応じて2つを使い分けることが大切です。
「プロセス軸」は、成果物が不透明な中長期的なプロジェクトで用いられます。プロジェクトを階層化し、その後タスクを細分化・構造化するタイプです。例えば、◯◯までに◯◯を30%低減させるなどといった目標がある場合に向いています。
一方「成果物軸」は、成果物が明確になっている短期的なプロジェクトにおすすめ。成果物から逆算してタスクを細分化し、順序立てられたツリー構造を作るタイプです。
この場合の成果物とは、プロジェクト完了に必要なパーツやアイテムのこと。WBSでは最終的な目標の下に各成果物のタスクを記したツリーを作り、全体の動きを管理します。
WBSとガントチャートの違い
WBSとガントチャートは書き出す内容が似ていますが、活用目的が異なります。
WBSが必要なタスクを明確・細分化するためのツールである一方で、ガントチャートはWBSで明確になった作業の進捗状況を確認・管理するためのツールです。ガントチャートでは、各タスクがどの程度進んでいるのか、あるいは終わっているのか、全体像を把握するのに役立ちます。
システム開発のプロジェクトでは、WBSとガントチャートは両方使われています。まずWBSにより必要な作業をリスト化・構造化して担当付けや期日設定を行います。そうしてWBSを元に洗い出したタスクのスケジュールを視覚化して管理するのがガントチャートの役割です。
どちらか1つを使うのではなく、WBSとガントチャートは組み合わせて使うことを意識しましょう。