OODAループの実行に向いている業務
OODAループは、新規事業の立ち上げや新商品の開発などの業務を行う場合に向いています。先が見えにくかったり想定しにくかったりするような状況では、対応スピードの違いは成功を左右する要因のひとつとなります。
新規事業の立ち上げは、しっかり準備していてもほとんどは計画通りにいかないものです。市場のニーズを的確に捉え、その時々で適切な行動を行うにはOODAループの実行はピッタリ。
例え、競合他社と比べて自社の資金力やブランド力、競争力が劣っていたとしても、観察から実行までをスピーディーに行えれば、十分に対抗することは可能です。
OODAに向いていない業務
OODAは、ルーティンワークの業務効率改善には向いていないフレームワークです。OODAは観察することが最初のステップです。
つまり、まずは起こっている出来事を把握し、それに対応するための行動を検討するというのが基本的な流れ。状況が変化しにくいルーティンワークには不向きなのです。
また、中長期的な計画が決められているプロジェクトを進める場合にもOODAは向いていません。すでに立ち上げから時間が経過している事業は、策定された中長期的な事業計画に沿って、PDCAサイクルを回していくのが適切です。
OODAループを実行する流れ
OODAには、4つのプロセスが存在します。「観察」「状況判断」「意思決定」「実行」です。PDCAに比べて柔軟性があるため、状況が変わればまた観察から始めることが可能です。より素早くかつ柔軟に対応していくためには、OODAループを実行する流れをきちんと把握しておきましょう。
Observe:観察する
「OODAループ」ではまず、「Observe:観察」を行います。観察する対象は状況や人、市場や競合などさまざまです。
観察では、推測や思い込みによる判断は行いません。客観的に観察して数字で表現できる事実を確認します。過去の傾向やデータを用意して、比較しながら情報を収集しましょう。
Orient:状況判断する
次に、「Orient:状況判断」を行います。観察のフェーズで収集した情報を分析し、行動の方向性を決めるプロセスです。
集めたデータ以外に過去の事例や自身が培ってきた経験を基に、状況を判断します。この時点で出た結論は仮説であることは留意しておきましょう。
Decide:意思決定する
状況判断のあとは、「Decide:意思決定」を行います。観察で得た情報と判断により、具体的な行動を決めるプロセスです。
「OODAループ」は、情報が素早くかつ複雑に変化するような状況で使用するフレームワークです。状況が変化しやすいという前提に立ち、意思決定を行ったあとは、再度状況を確認し、変わったことはないかをチェックしましょう。
Act:実行する
最後に「Act:実行」します。「Decide」のプロセスで意思決定した内容を行動に移していきます。
「Act」の段階で重要なのは、実行後すぐに次の「OODAループ」に移行することです。何度も「OODAループ」を繰り返すことで、実行の精度を高められます。