ベストセラーになった『バビロンの大富豪』という本をご存じだろうか。世界中のお金持ちから支持されて話題となった本だ。

この本の主な登場人物は貧しいバンシルと、バビロンに住む大富豪アルカド。ある日バンシルに、「裕福になるにはどうすればよいのか」と聞かれたアルカドは、「7つの教え」について話し始める……。

ここでは、その内容を紹介しよう。

参照:『バビロンの大富豪「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか』

教え1「稼いだお金の10分の1は貯蓄に回す」

若かりし頃のアルカドは、バンシル同様、貧しい暮らしをしていた。ある日、アルカドはアルガミシュという金持ちの老人に出会う。そしてアルカドは、アルガミシュに「金持ちになる方法」を尋ねる。すると、老人の答えは「稼いだものの10分の1を取っておけ」と答えた。

現在で言えば、「収入の10分の1を貯蓄に回せ」ということだ。「月の10分の1なんて、たかがしれているのでは……」とあなどってはいけない。毎月数万円でも「絶対に手をつけない」お金を作っておけば、着実に増え続ける。

例えば毎月3万円、何があっても手をつけずに貯め続ければ、10年後にははたしていくらになっているだろうか……。

教え2「欲求と必要経費を混同しない」

ある日、アルカドは王に請われて、市民の前で「富を手に入れる7つの知恵」を説明することになる。ひとつ目の知恵は、「財布に10枚コインを入れたら、9枚までしか使わないこと」。これは、先に伝えたものと同じ内容だ。もうひとつが、「自分の欲求と必要経費を混同しないこと」。

人間の欲望とは、限りのないものである。すべての欲求を叶えようと思ったら、お金がいくらあっても足りなくなってしまうものだ。

そこで大切なのは、収入の9割の予算内で一番の欲求が叶えられるよう、支出の予算を組むこと。この際、欲求が低いものはきれいに諦めることが肝心だ。

教え3「貯めた資金は増やす」

次にアルカドは市民に、「貯めた財産に働かせ、増やす手段を考える」ことを教える。アルカドいわく、財産とは「今手元にあるお金」のことではなく「定期的な収入」のことなのだ。

これこそが、今で言う「資産運用」だ。このご時世、貯金をしていても利息は望めそうもない。それどころか物価が上昇すると、目減りしてしまう恐れすらある。やはり、投資に回し、資産を増やすことが大切だということだ。

教え4「貴重な財産は死守するべし」

次の日、アルカドは市民に「損失から財産を守ることの大切さ」を説く。投資は、必ず元本を確保すること。投資のリスクについて、しっかり理解しておくこと。そのためには、「知恵と経験」の豊富な信頼できる人物に相談することが大切ということだ。

「うまい話には裏がある」とはよく言ったものだ。投資にはリスクがつきもの。そのリスクをいかに軽減させるかをしっかりと学ぶことは必要不可欠。「防御は最大の攻撃」ということだろう。

教え5「自分の家を持て」

さらにアルカドは、市民に「自分の家を持つこと」をすすめる。とはいえ、どんな家でもよいというわけではない。生活の質が保てる家に住むことで自分に自信を持つことができ、何をするにもより一層努力できるようになる……とアルカドは語ったのだ。

例えば、昼夜を問わず騒音がひどい場所に住んでしまったとしよう。夜もぐっすり眠れずに睡眠不足が続くと、仕事のクオリティも低下する。そうすると給料の査定にも響いてしまい、結果として収入が落ちてしまうかもしれない。そう考えると「住環境」の大切さがよくわかる。

教え6「将来に備えた資金準備をせよ」

アルカドは、市民に「将来に備え、それ相応の資金準備をしておくこと」の大切さも教える。

人間は、いつどこで、何が起こるかわからない。不測の事態に備えて「老後の資金」「家族のための財産」を残しておけば、将来の不安は解消される。また、資金だけでなく、いつまでも元気に生きられるための「健康貯金」も必要だろう。

教え7「自己の能力と技量を高めよ」

最後にアルカドは「明確な目的を持ち、それに向かって自身の能力と技量を高め、学び、自尊心を忘れずに行動せよ」と伝える。技量や知恵を身につければつけるほど「稼ぐ力」が増え、報酬も増える。そのために必要なのが、己を高め、学びを忘れない「自己投資」の心だ。

自分にしっかり投資することによって得られるものは図りしれない。最も大切にすべきは「自分」という資本なのだ。

お金持ちへの一歩を踏み出す指南書

この本は、一発逆転で大金持ちを目指すノウハウを述べているのではない。誰でも簡単にできる「努力の方法」を説いているのだ。だからこそ多くの人に支持され、今でも愛され続けているのだろう。

ぜひあなたも、今から「大富豪になるための第一歩」を踏み出してみてはいかがだろうか。

『バビロンの大富豪「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか』
ジョージ・S・クレイ損(著)/大島 豊(翻訳)
グスコー出版

文・山田千景

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