ファイト時の切り札は指ドラグ

「シャクりアワセ」になった場面で、想像より大型が乗ったとします。ドラグが「ジージージー」っと、聞いたこともない音で鳴り続けて、走りが止まる気配がない。つい焦ってドラグノブを回し過ぎてしまい、ラインブレイクしてしまった経験はありませんか。また、「ファイト中に、ドラグ設定をしないから……」と、アドバイスを、受けたのではないでしょうか?

瞬時に、「イカの大きさ」「潮流の強さ」それらを相乗効果で導き出される「ラインへ加わる負荷は〇〇kg」と解る釣り人は、正直おられないと思っています。大型のイカが乗ったファイトで、ロッドを立て、イカの走りに耐える中、ドラグノブを瞬時に回して、設定を繰り返しながら、ファイトを続けるのは、至難の業です。また、ファイティングポーズも乱されるし、まずそんな「気持ちの余裕」は持てません。筆者も、未だにハラハラ・ドキドキで、冷静に対応できたことは、数えるほどしかありません。

そこで、「自分の指の記憶」を信じて、指でスプールにブレーキをかける「指ドラグ」が威力を発揮します。素手でやってしまうと、摩擦係数が高いため、スプールをロックしてしまい、ラインブレイクを引き起こしてしまうため、グローブの装着を勧めます。こまめなブレーキ対応が可能で、特に走りを止めたい時に有効です。筆者は、この技のおかげで、エギングタックルでメジロを釣り上げることに成功しました。その時のラインはPE0.6号に、リーダーは1.7号(7lb)でした。

陸っぱりエギングの【奥深すぎるドラグ設定方法】 目的から理解しようエギングタックルで上げたメジロ(提供:TSURINEWSライター松永一幸)

ドラグのメンテとワッシャー交換時期

ここまで、ドラグ設定の重要性を紹介してきましたが、「ドラグのコンディション」が悪ければ、全ては台無しです。まずは、ドラグの状態を釣行前に確認し、状態がベストでない場合は、メンテナンスを行っておきましょう(ドラグメンテナンスは、メーカーの言う分解行為には該当しません。安心して下さい)。

陸っぱりエギングの【奥深すぎるドラグ設定方法】 目的から理解しようドラグ機構(提供:TSURINEWSライター松永一幸)

フェルト屑が多い場合は洗浄

ドラグノブを外すと、押さえの金属ワッシャーが見えます。この時点で、削れたフェルト屑が溜まっているのはよくありません。取り外して、洗浄をしてグリスも新しくしましょう。

また、ドラグメンテナンスについての詳細記事がありますので、そちらを参考にして下さい。下記にURLを記載しておきます。

厚みが薄い場合は交換

外してみたドラグワッシャーが、ピッタンコに潰れていたら、新品のドラグワッシャーへ、交換が必要です。新品のドラグワッシャーは、釣具店で、補修パーツとして注文・取り寄せが可能です。

グリスで変わるドラグ特性

ドラグワッシャー用のグリスは、各メーカーの純正品や、ケミカル専門のメーカー品まで、多種多様にあります。その中から、一つお勧めするのは難しいので、個人の好みで選ぶのが1番だと思います。無責任な回答で申し訳ないのですが、「タメが効く」「滑り出しがスムーズ」「耐久性に優れている」「エギをシャクることに特化している」と全部欲しい機能ばかりですが、残念ながら、全てを備えた、都合のいい製品はないので、それぞれの持つ特徴を理解し、自分の理想とするエギングスタイルに合う、ドラググリスをチョイスして欲しいのです。

また、最近では「エギング専用ドラググリス」も発売しているため、こちらも見逃せませんね。ドラグメンテナンスはそれほどハードルの高いメンテナンスではありませんので、こまめに行い、大切な釣具と向き合う時間も楽しんでもらいたいです。