エギングのドラグ設定変更の目的
エギングでは、「シャクリ」でエギへ加えるインパクトの強弱で、大きくアクションがかわるため、自分がイメージする「エギの動き」を演出するために、「シャクリ」に変化を与えることが、常に求められます。
前項で記載した通り、腕で強弱をつける範囲は狭いと、筆者は考えており、その強弱の調整範囲をドラグにより広げてもらうことで、さらにエギの動きに僅かな変化を与え、その日の釣れるアクションパターンへ、近づくための重要な機能を担っていると考えます。その重要な機能を目的ごとに紹介していきます。
自分に合わせる
シャクった時に、「手首に少し負担が……」や「肘に力が抜けて、あんまり長くは無理かな」と感じることはありませんか?また、シャクった際、エギが水の抵抗を受けるのをダイレクトに感じ過ぎて、真っ直ぐシャクれず、ロッドが蛇行することはないですか?それは、ドラグ設定が自分に合ってないからかもしれません。前項にあった「シャクった時に少し出る程度」の誤解になります。
まずは、ロッドを真っ直ぐに振り抜きシャクれるようにドラグを緩めながら調整し、今日の自分の身体コンディションに合わせて下さい。
釣れているイカのサイズに合わせる
春と秋では、釣れるイカのレギュラーサイズの重さに、合わせることも大事なファクターとなります。基本的にエギを横抱きされるため、ドラグ設定が弱いと、アタリにアワせた際に、イカが乗らない原因になります。しっかりカンナに掛けるためにも、釣行時に釣果情報で、レギュラーサイズの確認をしておきましょう。
また、設定の感覚としては、「キロクラス」なら「少し強めの設定を」と、よく表現にありますが、記憶した指先を信じて、500gより気持ち強い程度で大丈夫です。
エギの動きに合わせる
「シャクリ」で、エギを跳ね上げさせるのがエギングです。とクドイのですが……。
エギの跳ね上がる「角度」と「移動距離」を意識して、シャクっているでしょうか?「見て!あの人、イカ釣ったよ!」と、その人のエギカラーとシャクリを真似する人が、ほとんどだと思います。しかし、その姿と動作から見えない情報が、エギの跳ね上げ「角度」と「移動距離」です。その調整を担うのが、ドラグなのですが、シャクってロッドが止まった位置で、ドラグが逃す力の量で、エギの跳ね上がる「角度」と「移動距離」がかわります。
勿論、ロッド操作の影響力には劣りますが、そのロッド操作のアシストをドラグが担ってると意識するのが肝要です。また、エギのアクションの方向性を決めて設定するのも大事です。
スラックジャークと秋のキビギビジャークでは、まるで、ロッドアクションが異なるため、ロッドワークに着目しがちですが、ここでもドラグのアシストがあって、初めて成立すると思います。大事なのは、「エギにどうインパクトを加えるか」です。
水深に合わせる
「沖のディープを狙う」場合の話ですが、意外とシャローのドラグ設定でシャクっていませんか。エギをシャロータイプからディープタイプに交換して、狙うレンジを意識するものの、そのエギに伝えるインパクト量にも注目が必要です。
「水深がある」=「釣り人から遠い」と考えると、答えは明確ですね。ディープでは、シャローの時より、「思っているほど、インパクトはエギに伝わっていない」ことになります。ディープエリアでは、ロッドアクションを大きく、強くする必要がありますが、そのアクションに合った、ドラグ設定が必要不可欠になります。勿論、シャクリが成立する範囲での話ですが、いつもより強めの設定が必要となります。
シャクった際に出る糸フケの長さを判断材料にして、エギの移動距離が自分のイメージに合うように、ドラグ設定をおこなって下さい。ここで、指先に記憶した値がカギとなります。