テラダ貝の食べ方
自ら身を差し出すけなげさ
生きている間は「このツメのようなフタさえあればボクは安全さ」などと赤っぽいフタで自分の身を守っているテラダ貝ですが、ゆで方さえ良ければそのツメが食べやすい「持ち手」になります。ピュルっと突き出したツメをつまんで引っ張るだけでアラ簡単、身も内臓もすべてつるりと抜け出てきます。わざわざ食べやすくなってくれるケナゲなヤツなんです。
今回は内臓を外します
3日間ばかり海水に漬けておけば体内の砂を全部吐き出してくれ、その内臓ごといただけるのですが、今回は砂抜きをしていないので内臓は取り除きます。内臓の外し方はティッシュですっとしごくだけです。可食部だけがきれいに残りますよ。
こんな感じ
画像は3個のテラダ貝を処理して食べるだけの形にしたものです。お醤油をちょんと付けていただきます。この食べ方ですとご飯のおかずにはなりにくいのですが、お酒は進みます。ご飯のおかずとしての食べ方としては、身をたくさん集めての「かきあげ」や、「お吸い物」がおいしいですね。でもKUMA10の一番のおすすめの食べ方は、ツメをきちんと外して砂抜きしたテラダ貝を山ほど用意してからの「バター炒め」です。これはうまい。
テラダ貝の注意事項!
アンボイナと間違うと大変!
テラダ貝に良く似た貝に「アンボイナ」がいます。「イモガイ」とも呼ばれるコイツは猛毒を持っていて、水管から毒針を飛ばして獲物に襲い掛かります。石のように動かず、目の前を通った小魚などに針を刺し、動けなくしたところでゆっくりと口から取り込みます。この毒がすさまじく強く、毒性は神経毒。強さはインドコブラの37倍と言われています。生息域がテラダ貝と重なっているために絶対に気を付けなければなりません。
アンボイナの地方名
アンボイナの地方名は「ハブガイ」。これは当然毒蛇のハブのような強い毒を持っているから付けられた名前ですが、実はアンボイナの持っている「コノトキシン」という毒は陸海空のすべての動物毒の中で最強なんです。それがもう一つの別名「ハマナカ」に現れています。これは干潮に貝拾いに出かけて浜を探索中に刺されたら、戻ろうとしても浜の半ばで息絶えるという謂れがあるため。実は海難事故の何%かはコイツが起こしているのではと言われています。みなさんも貝拾いは気を付けてくださいね。