釣って食べるシリーズも早何回目か(いいかげん)を迎えまして、今回はちょっと趣向を変えて奄美の食用貝「テラダ」の紹介をいたします。このテラダ貝、南の島では居酒屋などでは定番のおつまみなのですが、今の時期が一番おいしいとされています。獲り方も合わせてのご紹介です。

目次
テラダ貝って知っていますか?
テラダ貝のいろいろ

テラダ貝って知っていますか?

【連載】一年ぶりに潜りました!この時期めちゃくちゃおいしいテラダ貝!
(画像=『暮らし〜の』より 引用)

まずこの記事を読んでいただく前に「テラダ貝」について少し説明させていただきたいと思います。亜熱帯の海域に分布する巻貝で、静岡以南では見る事ができます。食用として人気が高いのは奄美大島や沖縄などですが、あまりの人気の高さから最近ではフィリピンなどからの輸入物まで出回っています。ちょっと潜れば100や200はすぐに獲れるのにもったいないことです。しかしそれだけに売っても安いので、自家消費のためにしか獲りません。ここで「輸入なんかしなければ良いのに」という矛盾が生じますが、安定供給のためには仕方がないのかも知れませんね。

テラダ貝のいろいろ

テラダ貝のおいしい時期

海開き(今年は2020年3月26日でした)の前後は大潮で、一年の内で一番潮の引く時期です。毎年海開きの日は会社も商店も休日で全員が海で遊びます。午後、島民は潮が引くと干上がった海に腰まで浸かりテラダ貝拾いを楽しみます。持ち寄った弁当やお酒の輪の中心では焚き火でゆでられたテラダ貝が食べられるのを待っています。こんなシチュエーションだからかもしれませんが、春先から梅雨時のテラダ貝は一番おいしいと言われています。

テラダ貝の本名

テラダ貝は地方名で、奄美大島南部の呼び名です。同じ奄美大島でも北部では「トビンニャ」と呼ばれ、長崎県の五島列島や高知県あたりでは「チャンバラ貝」などと呼ばれています。本名は「マガキガイ」。単にマガキと言ってしまうと「真牡蠣」になってしまい別の貝になってしまいます。マガキガイのマガキは「籬」と書き、竹で編んだ垣根のことを指します。貝にそのような模様が認められますね。