軽アイゼンは、4本または6本の爪があるアイゼンのことをいいます。冬の低山、初冬や残雪期の山、雪渓などで使い、登山の幅を広げるために必須の道具です。軽アイゼンについて、使い方、種類と選び方、装着方法、歩き方について説明し、おすすめアイゼン4選を紹介します。
軽アイゼンはどんな登山道具?
アイゼンの役割
アイゼンは、雪山において積雪した斜面や、凍った斜面を歩行する際、滑らないようにするために、靴底へ装着する登山道具です。アイゼンには、金属の爪がついており、これが滑り止めの効果を発揮します。アイゼンの爪の本数は、4本から12本のものまであります。
軽アイゼンとは?
アイゼンは爪の数が4本から12本のものまでありますが、特に、4本または6本爪アイゼンのことを、軽アイゼンといいます。なぜ軽アイゼンかというと、爪の数が少ないために、アイゼン自体の重量が軽いからです。 爪の数は多いほうが、雪面に対してたくさんの爪で支えることができるので、滑り止めとしての効果が高くなります。そのため、より本格的な雪山を登るには、爪の数がたくさんあるアイゼンを使います。 爪の数が少ない軽アイゼンは、主に、冬の低山など、傾斜が緩く、雪があまり積もらない山で使います。
軽アイゼンの種類
爪の本数と装着方式によって、軽アイゼンには、いくつか種類があります。 それぞれどのような種類があり、どのような違いがあるのか、以下に説明します。
軽アイゼンの爪の本数による種類と違い
軽アイゼンには、6本または4本の爪を持ったアイゼンの2種類あります。 ■6本爪アイゼン 6本爪アイゼンは、積雪した急斜面に対して爪を効かせるのは難しいですが、比較的緩やかな雪の斜面では、安定して歩行することができます。 6本という爪の本数は程よい安定感があり、幅広い山に対応します。その安定感から、初心者へおすすめのアイゼンです。
6本爪アイゼンです。
裏から見た6本爪アイゼンです。
■4本爪アイゼン 4本爪アイゼンは、靴底に対して爪の部分の占める割合が小さいので、6本爪よりもやや安定度は落ちます。雪面に対して、しっかり爪が刺さるよう、コントロールが必要になるため、やや上級者向きともいえます。 ただ、4本爪アイゼンの良いところは、6本爪と違い、価格が安くて重量が軽いことです。そのため、もしもの時の予備的な装備として、ザックにしのばせておくと、安心して冬の山を登れるでしょう。
軽アイゼンの装着方式による種類と違い
ベルト方式とラチェット方式の2種類の装着方式があります。 ■ベルト方式 ベルト方式は、靴全体へ、アイゼンについている紐をはわせて、アイゼンを締め付けます。紐の引き回しは細かい作業なので、寒い冬山で手袋したままだと作業しにくいのが難点です。 ただ、ベルト方式は構造がシンプルなので、どんな靴にも合わせられるし、耐久性があって長く使うことができるでしょう。
■ラチェット方式 ラチェット方式は、ベルト方式よりも簡単にアイゼンを取り付けることができます。メーカーによりますが、ベルトをレバーに通し、引っ張るだけで装着できるという簡単さです。 ただし、ラチェットは劣化して壊れやすいのが難点です。壊れると、アイゼンが装着できなくなってしまうこともあり得るので、登山に出掛ける前に、状態確認をしっかり行いましょう。