新しい「住まい探し」の形とは?

街で使うARアプリの先駆者として「セカイカメラ」というアプリがあります。このアプリの「脱検索」というコンセプトは、今回の「Finding Serendipity」に深く関わっています。

名前を知っている街の物件を探すのとは別に「ふと訪れた街でとてもすてきなカフェと出会う」「お気に入りの街で、自分の趣味と合致した希少な設備を持った部屋と出会う」など、通勤時間などのハード面での拘束が少し弱くなった今だからこそ、“偶然”出会う新しい「住まい探し」の形が必要なのではないかと思っています。

今回、ARグラスが普及した前提で体験を構築しているため、実際にテストを行うスマートフォンでは使いづらかったり、直感的でない部分があったりすると思いますが、少し先の未来を想像しながら体験していただけると嬉しいです。

公開の段階では、私たちが提供する世界はまっさらの空き地です。

この空き地の上にパートナーと協力をしながら魅力的に見えるユースケースなどを作成していきますが、テストに参加していただけるみなさん一人ひとりが設置するアンカーが街の情報として蓄積され、時間を飛び越えた街での出来事や人々の感情が、新たな街の魅力となっていきます。

生まれたばかりの世界、一緒に楽しく興味深い使い方を考えていきたいですし、この先を拡張していくパートナーも募集していますので、ご興味がありましたらぜひご連絡いただければと思います。

<著者プロフィール>

細谷宏昌
株式会社LIFULL
未来デザイン推進室リサーチ&デザイングループ
研究員

東京藝術大学大学院修了後、テクノロジーとアート双方の視点から広告・展示・プロダクトの企画ディレクション・新規事業開発サポートなどに従事。
2020年3月より現職。「誰もがより自分らしく暮らせる世界の実現」を目指し、ありえるかもしれない未来を思索し、プロトタイプとして体験できる形で提案することがミッション。最近では同じ価値観の人がどの街でWell-beingに生活しているかを探せる「VALUES MAP」を公開。これまでにRed dot Award / Good Design Award / ADFEST / SPIKES Asiaなどを受賞。