包丁が刃こぼれしていたら?
刃こぼれ位置まで砥ぎましょう
もしも使っている包丁が欠けてしまったら、これは即治しましょう。特に鉄包丁は刃の入り方が悪いと簡単に欠けます。もうそうなってしまったらそれはもう刃物としての価値がありません。もったいなくても欠けの部分は全て削り取ってしまいましょう。
砥面は使わない
刃こぼれしている場所が無くなるまで、砥石の側面を使ってガリガリと刃を削って行きます。もったいない気もしますが心を鬼にして削りましょう。その時に気を付けるのは、砥石の砥面はなるべく使わないことです。砥面を荒らしてしまったら、後のメンテナンスが大変です。
全体のバランスを見ながら仕上げる
刃の欠けているところだけを何とかしたいものなのですが、それですと「グルカナイフ」のような妙な形の包丁ができあがってしまいます。ですから全体的にバランスを見ながら欠け部分を削って行きましょう。
包丁研ぎの注意点
トクソの扱い
砥石で包丁を砥いでいると茶色い砥汁が出てきます。荒砥ぎの場合は流しながら砥げばいいのですが、本砥ぎをする時はこれは流さずに砥ぎましょう。この茶色い砥汁は「トクソ(砥糞)」と言って、これ自体が研磨剤になります。細かい粒子が、より刃を美しく仕上げてくれます。
力の配分
包丁研ぎで難しいのは力の配分です。押す時に力を入れるとか決まっているのであれば話は簡単なのですが、包丁研ぎはそれではいけません。刃の付いている方向には優しく、刃の付いていない(背側)方向には強く押し付けて砥ぎます。それも「軽く強く」程度です。あまりぎゅうぎゅうやってはいけませんよ。最後に、砥いで刃を付けた裏側のバリを取る時には本当に撫でるように砥面を包丁で滑らせます。
無理ならばプロに任す
包丁の欠けなどがひどく入ってしまった場合などや、刃欠けの矯正に失敗してしまい刃を潰してしまった時などは素人ではなかなか修正の効かないものです。プロの砥ぎ屋さんに出しましょう。また、何度か砥ぎに挑戦してみても切れ味が上がらないなどの場合も一度プロに頼むことをおすすめします。作業中でも声掛けすれば、ある程度コツなど聞けると思いますよ。