鉄包丁のお手入れ方法
なにも各部の名称をすべて覚える必要はありませんが、この記事でもちょいちょい説明に専門的な部位の名称が出てきます。「これどこのことだ?」と分からなくなったらここへ戻って見直してください。
鉄包丁の砥ぎ方①「中性洗剤で洗う」
和包丁の場合片刃のものと両刃のものがありますが、基本の砥ぎ方は同じです。切っ先、ソリ(各部の名称画像で刃先と示されている辺り)から刃中、刃元、の3つの部位を指二本分づつの広さで砥いでいきます。今回は分かりやすいように「菜っ切り包丁」を砥いでみます。まずは中性洗剤で両面の汚れをしっかりと落としましょう。
鉄包丁の砥ぎ方②「刃先は立て気味に」
刃先を砥ぐ時には、「少し刃を立て気味」に砥石に対して45°位の角度を保って砥ぎます。これは切っ先の部分はシノギの角度がきつく付いているために他のところのようにシノギに角度を合わせられないからです。
鉄包丁の砥ぎ方③「刃中は45°」
刃中を砥ぐときには、刃と砥石の角度を10°から15°くらいに保ち、包丁全体を砥石に対して45°くらいの角度で砥いでいきます。この時包丁に指を当てますが、実は砥げるのはこの指の当たっている下の部分だけなんです。ですから一本の包丁の片側は、包丁の刃渡り÷指二本分の横幅の数だけ砥ぎます。
鉄包丁の砥ぎ方④「刃元は90°」
最後は刃元の研ぎ出しになります。ここは包丁の柄が邪魔になりますから、包丁と砥石の角度を直角に保って砥ぎましょう。全ての部位の砥ぎ方に言えることは、「刃の背中方向に砥ぐ時に力を入れる」「一か所10から20回砥ぐ」、これだけです。
鉄包丁の砥ぎ方⑤
表面がすべて砥ぎ終わったら刃の裏に指を当てて「バリ」の確認をします。刃のラインに一律に返し(バリ)が出ていれば砥ぎは成功です。今度は裏面の刃を砥石で1~2度なでてバリを取り、砥ぎは終了です。
鉄包丁の保管方法「乾燥」
包丁の最大の敵は湿気です。常に「乾燥」を心掛けましょう。鉄包丁はまな板にちょこっと置くだけでもまな板の湿気を吸ってサビ始めます。保管場所は常に乾燥している場所を選びます。また、常に乾燥させておくために新聞紙やキッチンペーパーなどに包んでおくのも良いでしょう。長く使わない場合は機械油を薄く塗って保管しましょう。
ステンレス包丁のお手入れ方法
シャープナーはちょっとだけ
V字に切り込みの入ったシャープナーや、回転砥石の付いた電動シャープナーなど、ステンレス包丁には使用可能な砥ぎ道具がいくつかあります。とても便利なのですが、これの使い過ぎはよくありません。実際には砥いでいるのではなく「こすって刃を荒らしている」にすぎません。刃が荒れると食材への食い込みが良くなりますから、切れ味が戻ったような気がしますが、それだけです。また、鉄包丁への使用は極力避けて下さい。鋼の部分が飛んでしまいますよ。シャープナーはステンレス包丁のみ!
バリ取りをしっかり
ステンレス包丁をシャープナーで砥ぐと、目に見えないようなバリがたくさん出ます。ちょっと使ってさっと調理に使うくらいはいいですが、ちゃんと包丁のメンテナンスをするつもりならシャープナーをかけた後は軽くで良いですから砥石を使ってバリ取りをしておきましょう。