マリオ・ゲッツェ(ドイツ代表)2014年ブラジルW杯

2014年ブラジルW杯当時、26歳だったドイツ代表MFマリオ・ゲッツェ。ヨアヒム・レーヴ監督率いるチームの一員として、準決勝では地元ブラジルを7対1で葬り去ると、迎えたアルゼンチンとの決勝戦の88分から途中出場した。

1点を争う死闘となった末、スコアレスのまま迎えた延長後半の113分に大仕事。DFラインからボールを繋いだ後、シュールレが左サイドをドリブルで持ち上がる間に左サイドから中央にポジションを移動すると、シュールレのクロスをゴールエリアの角で胸トラップ。そのままボールを地面に落とすことなく、滑り込みながら左足ボレーで逆サイドネットへ叩き込んだ。

高い技術と勝負強さ。ドイツ国中を熱狂の渦に巻き込んだ「伝説の胸トラップボレー」。大会終了後、W杯優勝ゴールを生んだゲッツェのスパイクは、オークションで200万ユーロ(約2億8000万円)の高額で落札されることになった。


元スペイン代表 MFアンドレス・イニエスタ 写真:Getty Images

アンドレス・イニエスタ(スペイン代表)2010年南アフリカW杯

無敵艦隊と言われながら失態を繰り返してきたスペインが、唯一W杯の頂点に立った2010年南アフリカ大会。華麗な「ティキ・タカ」を用いて決勝まで勝ち上がると、肉弾戦を挑んできたオランダに手を焼きながらも、0対0で迎えた延長後半の116分にMFアンドレス・イニエスタが歓喜を生む。

自陣からDFヘスス・ナバスが、ドリブルで持ち上がった後のこぼれ球を右足ヒールで味方に繋ぐと、そのまま前線へ駆け上がる。左サイドからのクロスは自身の手前で跳ね返されたが、再びボールを拾ったMFセスク・ファブレガスからのパスを右サイドに開きながら受けると、トラップで浮いたボールに渾身の右足ボレーでゴール左隅に突き刺した。

当時26歳だった物静かな男イニエスタは、力強く雄叫びを上げた。警告覚悟で脱いだユニホームの下のアンダーシャツには「ダニ・ハルケ、僕たちはいつも共にある」と、前年に心不全で急死したスペイン人DFにメッセージ。その姿に多くの者が涙。7月11日は「スペインサッカー史上最高の日」となった。

元ブラジル代表 FWロナウド 写真:Getty Images

ロナウド(ブラジル代表)2002年日韓W杯

デビュー以来、爆発的なスピードとパワー、優れたボールテクニックで次々とゴールネットを揺らして「イル・フェノーメノ(超常現象)」と謳われた元ブラジル代表FWロナウド。右膝靭帯断裂の大怪我から復帰した後、25歳で自身3度目のW杯となる2002年の日韓大会でついに戴冠となった。

当初はメンバー入りも危ぶまれ、大会開幕後も決して万全のコンディションではなかったが、準決勝までの6試合で6点を奪って結果を残す。そして“大五郎カット”で臨んだドイツとの決勝では、前半こそGKオリバー・カーンを中心とした鉄壁の守備に苦しんだが、67分にMFリバウドのミドルシュートをカーンが前方にこぼした隙を見逃さずにロナウドが嗅覚鋭く先制ゴール。さらに79分には、右サイドからのグラウンダーのクロスに反応し、右足トラップの後、冷静に右足でゴール右隅に流し込んだ。

その4年前の1998年フランスW杯では、決勝前日に原因不明の痙攣で倒れた影響もあってフランスに0対3の大敗を喫したが、その借りを返すとともに自身の“怪物ぶり”を見せつけた決勝での2得点だった。


元フランス代表 MFジネディーヌ・ジダン 写真:Getty Images