アジア勢の躍進
2002年の日韓W杯以降、久々のアジア開催となった今大会。残念ながら開催国として初出場を果たしたカタールは、グループリーグで勝利を挙げることができなかった。しかし、その他のアジア勢5チーム(イラン、サウジアラビア、オーストラリア、日本、韓国)は、間違いなく各グループリーグを混戦にした一因となったと言えるだろう。中でも見事グループリーグ突破を果たしたオーストラリア、日本、韓国のうち、日本はドイツとスペインを、韓国はポルトガルを下しての決勝トーナメントの進出となっている。次の2026年大会では、出場枠が現在の4.5から8へ大幅に増加する予定のアジア勢。今大会同様にW杯を湧かせるチームが多く出ることに期待したい。
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C・ロナウドの涙
サッカー界が誇る英雄、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシが優勝という形で有終の美を飾った今カタールW杯。しかし、対照的なもう1人の英雄の姿も印象的な大会だった。メッシと同様に世界のサッカー界を牽引してきたポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドは、37歳を迎え今大会が最後となるとの見方も強い中でW杯出場を果たす。しかし結果は準々決勝で大会屈指のダークホース、モロッコに負け敗退。涙でフィールドから去る姿が印象的だった。一方で、グループリーグのガーナ戦ではゴールを決め、史上初となるW杯5大会連続ゴールをいう金字塔を打ち立てた。記録にも記憶にも残る姿を見せたロナウド。史上最高と呼ばれるにふさわしい選手であることの証明にもなった大会と言えるのではないだろうか。
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ネイマールと少年
今カタールW杯優勝候補筆頭との呼び声も高かったブラジル。しかし、結果的には準々決勝でクロアチアにPK戦の末敗れ、2大会連続でベスト8敗退となった。敗退が決まった試合の直後、悲しみに暮れるブラジルのエースFWネイマール(パリ・サンジェルマン)に駆け寄るクロアチアのユニフォームを着た少年がいた。勝利チームの家族としてフィールドへ入っていたその少年は、クロアチアのFWイヴァン・ペリシッチの息子だったが、ネイマールは少年の伸ばした手に応え握手。軽い抱擁を交わして去っていった。敗戦直後でありながら心温まるこの対応は、W杯という舞台のすばらしさとネイマールの人間性が垣間見えたワンシーンとなった。
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