単発・短時間の仕事をする「ギグワーカー」。数時間単位のスキマ時間に仕事をする人も多く、1日単位で仕事をする日雇い労働者や、中長期契約を前提とするフリーランスとは少し異なります。
本記事ではギグワーカーとは何か、その歴史や注目される背景を解説します。ギグワーカーとしての働き方や、労働者と企業、それぞれにとってのメリット・デメリットも紹介します。
- ギグワーカーの概要や歴史、日本に増えた背景
- 労働者がギグワーカーとして働くメリット・デメリット
- 企業がギグワーカーと協業するメリット・デメリット
ギグワーカーとは?
インターネットを介して請け負うことが多く、単発、特に短時間の仕事のことをギグワーク、それに取り組む人をギグワーカーと呼びます。企業に属さず、外注先として働くフリーランスや個人事業主を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、単発のアルバイトをする労働者もギグワーカーにあたります。
ギグワーカーの職種例
単発で行う仕事のことをギグワーカーといい、様々な職種があります。具体的には、次のような職種でギグワーカーとして働く人が多いです。
- 家事代行
- 配達代行
- 運転代行
- イベントスタッフ
- コンサルティング
- プログラマー
- デザイナー
- イラストレーター
- ライター など
英語の「gig」の意味と、もともとの使われ方
英語の「gig」には、「定期的に開かれるものではない演奏会」「一度きりの仕事」といった意味があります。もともとはミュージシャンが一度だけ行うセッションを指す言葉で、これが派生して「単発の~」という使い方をするようになりました。
ギグワーカーの歴史
2010年代、アメリカで「ギグエコノミー」と呼ばれる、インターネット中心の新しい経済圏が誕生しました。
ギグエコノミーは人(人材)を共有する考え方です。人材それぞれのスキルに注目し、企業と個人が単発で仕事を受発注することで成り立つ経済圏がギグエコノミーです。このエコノミーの中で働く人をギグワーカーと呼びます。
日本でギグワーカーが増えた背景
日本でギグワーカーが増えた背景には、働き方の多様化や副業解禁など、政府主導の社会の動きが大きく関わっていると考えられます。
副業元年と呼ばれる2018年には、政府発行の「モデル就業規則」が改正され、勤務時間外の副業を認めるような内容になりました。働き方の多様化により「時短勤務」や「リモートワーク」を認める企業は増え、個人の可処分時間は増えました。
単発・短時間で働くギグワークは、副業にはぴったりです。日本でギグワーカーが増えた背景には、副業に取り組む時間が増えたこと、副業をするのが当たり前になってきたことがあるでしょう。