目次
熟成イスズミの作り方③「低温熟成」
熟成イスズミの作り方④「お刺身にしていく」

熟成イスズミの作り方③「低温熟成」

魚の熟成について

【連載】釣って食べるシリーズ第17弾!勇者kuma10ついにあの魚を!
(画像=『暮らし〜の』より引用)

魚を熟成させると旨くなるというのは最近の常識で、昔は魚は獲れたて新鮮なものが美味いと言われていました。イケスから取り出してそのままお刺身にして出す手法ですね。その後「浜締め」という手法を使うと美味い刺身になると言われ、現在は熟成させることによって魚のタンパク質をアミノ酸分解させると旨味が上がることが分かりました。ただしタンパク質が分解されるので食感は柔らかくなります。もちろんやっていい魚と悪い魚はあるので気を付けなければなりません。

冷蔵庫のパーシャル機能をつかう

一番良い熟成のさせ方は氷漬け(約0度を保つ)らしいのですが、家庭では毎日クーラーボックスの氷の管理などなかなかできませんので冷蔵庫のパーシャル機能を使います。通常2~3日の熟成期間をもうけますが、毎日キッチンペーパーは取り換えるようにします。魚の生臭さは水分にありますから、水抜きがきちんとできるように管理します。美味いも不味いも臭いも臭くないもこの管理で決まります。

熟成イスズミの作り方④「お刺身にしていく」

いよいよさばきです

【連載】釣って食べるシリーズ第17弾!勇者kuma10ついにあの魚を!
(画像=『暮らし〜の』より引用)

魚の熟成は通常2日くらい寝かせて行われますが、コイツに関しては4日寝かせました。白状するとどうしても口にしたくなかったので、そのまま忘却の彼方に閉じ込めてしまう気が半分はありましたから取り出すのが遅れたのもあります。表面を触ってみると指をパンと弾く弾力。文化干しの一歩手前ほどまで水分が抜けているのがわかります。恐る恐るペーパーを剥いで臭いを嗅いでみるとほのかな磯の香しかしませんでした。

ん?あんまり臭くないぞ

【連載】釣って食べるシリーズ第17弾!勇者kuma10ついにあの魚を!
(画像=『暮らし〜の』より引用)

いよいよさばきに入りますが、まずは三枚おろし。食べてはいけない臭いがするのではと身構えましたが、逆に魚特有の美味そうな香りが漂います。おや、これは案外イケルかも。身をぐっと押してみると整った繊維がきちんと指を押し返します。4日では腐らないことが確認できました。

怖いから腹骨は大きめに取る

【連載】釣って食べるシリーズ第17弾!勇者kuma10ついにあの魚を!
(画像=『暮らし〜の』より引用)

ここまで一番のネックだった臭いに関してはオールクリアと言っても良いでしょう。しかし敵の攻撃が身を口に入れてから過激になる場合も想定しておかなければなりません。普段ならなるべく薄く腹骨を漉(す)くのですが、ここは大きめに漉きます。何と言ってもあの巨大クサクサ内臓をホールドしていた部分なのですから。血合い骨も血合いを少し贅沢に切り取って外しました。

皮を曳く

【連載】釣って食べるシリーズ第17弾!勇者kuma10ついにあの魚を!
(画像=『暮らし〜の』より引用)

血合いを外して五枚に柵が取れたら皮を曳いていきます。イスズミの食べ方のオーソドックスなものに「焼霜造り」や「煮付け」がありますが、色々な方のブログなど拝見しても「臭い」「不味い」しか感想が載っていませんでした。このことから実は皮が臭みの一番の原因なのではと疑っておりましたから、今回は皮をすべて曳いてのお刺身にしていきます。実際にマツカサなども刺身では美味しいのに煮付けると不快な臭いがします。臭い魚には火を入れずに勝負した方が良さそうな気がします。

とてもきれいな身

【連載】釣って食べるシリーズ第17弾!勇者kuma10ついにあの魚を!
(画像=『暮らし〜の』より引用)

きれいな柵がとれました。イヤな臭いはありません。あとはお刺身に切るだけなのですが、ここまで手間を掛けたのですから「臭い上等!」と厚めの削ぎ切りにしました。保険に実食前日に釣れたギンガメアジのお刺身も添えて一皿としました。いよいよ実食です!