こんにちは。

きょうは2週続きの変化球として、もう1年半近く休眠させてしまっていた「歌はヴァースから」の第4回で、第二次世界大戦中に爆発的なヒットとなったグレン・ミラー楽団の『チャタヌガ・チュー・チュー(汽車ポッポでチャタヌガへ)』を取り上げたいと思います。

「そんな古い歌の歌詞がどうのこうのなんて興味ないよ」とおっしゃる方も、3番目の見出しから後はぜひお読みください。現代アメリカ社会が抱える病巣を浮き彫りにする事実をいろいろご紹介しているからです。

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まず歌詞をご紹介しましょう

テネシー州チャタヌガというと、第二次世界大戦中おそらく最大のヒット曲となった『チャタヌガ・チュー・チュー』の舞台として、ご記憶のポピュラー音楽ファンもいらっしゃるかもしれません。アメリカ最大のスモールタウンと言う人もいれば、最小のメトロ(都市)圏と言う人もいる、人口約18万人の町です。

というよりは、もしこの歌がなかったらとっくの昔に忘れ去られていたかもしれない鉄道と河川を航行する汽船とで構成された、クルマ社会化以前の交通の要衝だった町なのです。

さて、例によってまずヴァースから、原語の歌詞と私の訳を比べていきましょう。

(Hi there Tex, what you say)

Step aside partner, it’s my day

(やあ、テックス。どうしたんだい?)

みんな脇に寄ってくれ。今日はオレが主役だぜ

Bend an ear and listen to my version

(Of a really solid Tennesse excursion)

みんなオレの言うこと、しっかり聴いてくれよ

(テネシーへの豪勢な旅の話をってことかい?)

カッコの中がバックコーラスで、カッコに入っていないのがソロの掛け合いになっています。そして、ここからがヴァースに対するコーラス(あるいはリフレイン)になります。