「老後2,000万円問題」や賃金の伸び悩みを背景に、不労所得への関心が高まっている。働かないで収入を得るためには何が必要なのだろうか。考えてみよう。

サラリーマンが不労所得を得る方法は?

不労所得とは、労働による対価以外の収入を指す 。サラリーマンの場合は、一般的に労働の成果に対する報酬として給料が支払われる仕組みだが、不労所得は自分が働かなくても所有する資産が収益を生み出すことをいう。

サラリーマンが不労所得を得る方法は、以下の3つが代表的なものとして挙げられる。

・株式投資
・投資信託
・不動産投資

それぞれについて、メリット、デメリットを見ていこう。

「株式投資」で利益を得る

株式投資を行うためには、株式会社が発行する株式を買って株主になることが必要だ。株式を保有し続けることで、配当金などの利益を得られる。株価が低いときに購入し、高くなったときに売却すれば、その差額で利益を得ることも可能になる。

企業によっては株主に対して優待品を送る「株主優待制度」を設けている場合もある。優待の内容はさまざまで、施設の利用権や割引券、自社商品などが用意されており、株主でなければ得られない楽しみだ。

一方で、株式投資にはリスクも伴う。預貯金とは違い、元本保証がされているわけではない。 株価が下落し、損失が出る可能性もある。投資先企業が業績不振に陥ると、場合によっては株式が大暴落して一銭も戻ってこない事態も想定される。

そもそも株価は、景気、金利、外国為替相場、政治、国際情勢などの影響を受けて変動するため、利益を上げるためには、基礎知識を勉強することも必要だ。

少額から始められる「投資信託」

投資信託とは 、投資家から集めたお金をひとつの資金にまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品のことだ。運 用利益は、投資額に応じて分配される仕組みとなっている。

投資の専門家が、投資家に代わって運用するので、初心者でも始めやすいメリットがある。毎月一定額の積立投資なら少額で購入でき、最初に多額の資金を準備する必要もない。 もっとも、投資商品である点は株式投資と変わりないので、投資信託に組み入れられている株式や債券の価格が値下がりするリスクは伴う。

長期投資を前提としているため、始めてすぐに大きなリターンを得るのは難しい。リスクを分散させながら、10年、20年後を見据えて資産形成を目指す人には始めやすい方法だ。

退職金を「不動産投資」して家賃収入を得る

マンションやアパート、オフィスビルなどを購入して、賃料収入を得たり、値上がりしたタイミングで売って売却益を出したりするのが不動産投資 だ。いわゆるビルのオーナーやアパートの大家業などがこれに当たる。毎月安定的な収入を得られるため、将来的な年金不安を補う「自分年金」に適しているとされ、退職金の運用先としても注目を集めている。

LIFULL HOME'Sが過去に行った「賃貸物件オーナーの経営実態調査」 によると、会社員オーナーが43%を占めた。会社に勤めながら、オーナー業に携わっている割合の高さがうかがえる。

親から相続したものの誰も使っていない建物や土地がある人なら、アパート経営を始めることで、毎月一定額の不労所得を得ることも夢ではない。逆にいえば、賃貸経営のできる不動産を所有していない場合は、まず投資する不動産を取得するところから始めることになる。

ここで気になるのが自己資金だ。フルローンを組んで不動産を購入することも可能だが、ある程度の頭金を用意できる人向けの投資といえるだろう。家賃収益を上げるには、より収益率の高い物件を取得する必要があり、不動産の知識も求められる。

賃貸経営に伴うリスクとしては、空室、家賃変動、修繕費負担などが挙げられる。これらのリスクに対応するためのオーナー業が忙しくては元も子もない。

不労所得に対しても税金がかかる。不動産投資で家賃収入を得ている場合は「不動産所得」、株式から得た配当金は「配当所得」などだ。こうした所得を得た場合は、給与収入と併せて年度末に確定申告をする必要があるので注意したい。

結局、「手間暇」をかけられる人が・・・

不労所得への関心が高まるなか、「もうけ話トラブル」も増加している。 国民生活センターによると、全国の消費生活センターには「不労所得で豊かに生活ができる」と勧誘して、情報商材やノウハウを教わる契約をしてトラブルになったという相談が寄せられているという。SNSやオンラインサロンを通じた勧誘も増加しているので、もうけ話はまず疑ってみる慎重さが求められる。

不労所得と聞くと「楽をしてお金が稼げる」「働かなくてもお金が入ってくる」とイメージしてしまう人も少なくないだろう。しかし不労所得とは本来、お金を得るための仕組みづくりをして初めて入ってくる収入だ。仕組みづくりには、時間も資金もかかるし、ある程度の知識も必要となってくる。

「楽をしてもうけ る」のではなく、手間暇をかけた人だからこそ得られるのが不労所得なのだ。そのことは、よく頭に入れておきたい。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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