リカレント教育のメリット

リカレント教育は、個人と企業の両方にメリットがあります。それぞれどんなメリットがあるのかをわかりやすく解説。リカレント教育を受けるか検討している方や、リカレント教育を支援する制度の導入を検討している企業担当者は、ぜひメリットを理解したうえでリカレント教育について改めて考えてみてください。

個人のメリット

リカレント教育は個人にとって非常にメリットがあります。ひとつは、年収の上昇を期待できること。内閣府が公開している資料によれば、自己啓発を行った従業員とそうではない従業員の年収の差は、2年後には約10万円、3年後には約16万円になるとされています。

専門性の高い職業に就くことができるのも、リカレント教育のメリットです。リカレント教育は過去に学んだことのある分野を学び直すため、知識や技術の習得スピードが早いといわれています。そのため、キャリアアップの促進に期待できます。

参考:内閣府「人生100年時代の人材と働き方」P178

企業のメリット

従業員がリカレント教育を受けることにより、企業の競争力が強化されたり、人材不足が解消したりするなどのメリットを得られます。

リカレント教育を支援する制度を導入している多くの企業のなかには、支援対象者を社内で一定の評価を得ている従業員のみとしているところもあります。すでに活躍している人材が新たな知識や技術を習得することで、事業レベルの底上げが期待できます。それに伴い、企業の競争力も強化されるでしょう。

一度、休職や退職した方がリカレント教育を受けられるよう制度を整えれば、人材不足の解消も可能です。

少子高齢化が進む日本社会においては、今後企業側がリカレント教育に力をいれることが非常に重要。再教育し戦力に加えれば、人材不足という課題も解決することが可能です。

リカレント教育のデメリット・注意点

リカレント教育を受ける際は、メリットとあわせてデメリットや注意点も理解しておきましょう。個人側と企業側では、考えられるデメリットが異なります。それぞれどんなデメリットがあるのかをご紹介します。

個人のデメリット・注意点

リカレント教育を受ける場合、時間確保が大変だったり費用負担が大きかったりするのはデメリットおよび注意点としてあげられます。

フレキシブルな働き方が難しい場合、平日の早朝や夜間の時間を利用して学習を進める必要があります。レポートの提出期間には土日も勉強時間を確保しなければならないため、体力的に非常にハード。リカレント教育を受ける前に、現状の生活のなかに学習時間を作れるかはよく考える必要があります。

費用は、大学や大学院の場合は負担が大きくなります。通信制教育を利用する場合はそこまで大きな金額は必要ではないものの、テキストや講座費用は自身で用意しなければなりません。

リカレント教育は課程を修了すればメリットが大きいものの、実際に取り組む場合のデメリットも無視できないので、よくよく検討する必要があります。

企業のデメリット・注意点

リカレント教育における企業側のデメリットとしては、働きやすい環境の整備や従業員がリカレント教育を受けやすいようにサポート制度を用意するなどがあります。

日本ではまだまだ馴染みがないリカレント制度。なかには、時短で働く従業員もいるため、彼らが今まで担当していた業務はほかの方がカバーしなければなりません。

そのような事態になった場合、フルタイムで働く従業員の理解を得つつ、リカレント教育を受けている従業員がそのことを気にしすぎずに学習と仕事に専念できる環境づくりが重要です。