目次
確定申告を税理士に外注依頼するときのスケジュール感
良い税理士の選び方・探し方
確定申告を税理士に外注依頼するときのスケジュール感
齊藤:
実際に「税理士さんにお願いしよう!」と思った際は、いつまでにご相談をすれば良いんですか?
伊沢:
たとえば毎年10月くらいまでなら、当年分の確定申告を依頼することが可能な事務所が多いです。しかし11月、12月に入ると繁忙期になるため、新規のご依頼を受けられない可能性が出てきます。
齊藤:
(12月のいまはマズいじゃん……!)税理士さん的には、いつぐらいに依頼が入るとありがたいですか?
伊沢:
繁忙期以外は基本的に大丈夫ですが、3月にいったん前年度の確定申告を終え、4月頭あたりに相談に来ていただくのがベストではあります。フリーランスの皆さんとしても、ちょうど確定申告が終わって、大変さや面倒くささを痛感したあとだと思いますので(笑)
齊藤:
たしかに……。では、仮に4月頭のタイミングで顧問契約のご相談をしたとして、その年の確定申告書提出までのスケジュール感を教えてください。
飯塚:
まず、お客様の帳簿や申告書をお預かりし、年間の打ち合わせ回数などをご相談して見積もりを出します。当事務所の場合、打ち合わせは最低年2回で、回数が多くなれば料金も上がるシステムです。

飯塚:
また、帳簿についてはおおむね上半期と下半期に分けて作成し、上半期分は6~7月までに資料をお預かりして8月までに完成。下半期分は10月までに資料をお預かりし、11月までに完成させます。下半期のほうが期間が短いのは、12月に一度打ち合わせをして必要な節税策などがあれば実行できる時間を確保するためです。
そして、年が明けたら最終的な帳簿を完成させ、打ち合わせでお客様の認識とズレがないか確認。翌年度に向けた展望なども話し合い、ここからは事務所側で申告を完了させます。お客様は所得税が振替納税式だと口座から自動引き落としとなり、住民税のみはご自身で納付いただくことになります。これが一連の流れです。
齊藤:
ありがとうございます! 「確定申告の丸投げ」とはよく言いますが、私たちがやるべき作業も意外とあるんですね。
伊沢:
そうですね。上記で書いた以外でも、経費の確認・追加の資料要求など、日常的に密なコミュニケーションをお願いすることにはなります。
良い税理士の選び方・探し方
齊藤:
私たちが普通に生きていると、なかなか税理士さんと知り合う機会はないものです。税理士さんから見て、良い税理士さんの選び方はどんなものが思い浮かびますか?
伊沢:
20代後半~30代のフリーランスの方で考えてみると、大前提として「若い税理士」を選んだほうが良いと思います。意外かもしれませんが、日本税理士会連合会の実施した調査によれば、現役税理士の半数は60代以上。平均年齢も60歳を超えているといわれ、若手税理士は貴重な存在です。
若い税理士の場合、クラウド化に対応できている可能性が高く、オンラインでもストレスなくやり取りができるでしょう。また、事業のパートナーとしても多様な働き方への理解が深まりやすく、気軽に相談しやすいという側面もあります。

飯塚:
税理士を選ぶにあたって大切なのは、「性格的な意味で自分と相性の良い税理士かどうか」ですね。密なコミュニケーションが必要になる以上、相性が悪いと接するのが苦痛になると思います。
初回無料相談を実施している事務所も多いので、複数の事務所に話を聞いてみて税理士の人柄を確認してみてください。「コミュニケーションにストレスはないか」「気軽に相談しやすいか」などをチェックするのが大切です。
伊沢:
あと、事務所にはそれぞれ得意分野があります。たとえば、当事務所はアート・クリエイティブ領域に強みを持っていますし、相続専門の事務所さんなどもあります。その分野を得意とする税理士に依頼することでプラスアルファの価値が期待できます。

飯塚:
依頼者の事業分野と事務所の得意分野が一致していれば、事業内容やつまずきやすいポイントを理解してもらえたり、過去の事例をもとにした事業アドバイスなどの制度も高まっていったりするものです。そのため税理士の得意分野は要チェックです。
齊藤:
税理士さんも人柄重視で選ぶべき、というのは意外と見逃しがちなポイントでした。では、良い税理士さんを見つけるためにはどんな方法で調べるのが良いんでしょうか?
伊沢:
最近はマッチングサービスなんかもありますが、個人的にはシンプルに「◯◯(職業) 税理士」とググっていただくのが良いかなと。じつは、HPを持っていない税理士事務所は多いので、HPが見つかるだけで最低限のデジタル化ができていることも確認できます。
それと、freeeやマネーフォワードが提供する税理士検索プラットフォームを活用したり、アナログですが地域の税理士会に紹介してもらったりする方法もおすすめです。