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確定申告を税理士に外注依頼するときの料金相場
売上がいくらになったら確定申告を税理士に外注依頼すべき?
確定申告を税理士に外注依頼するときの料金相場
齊藤:
ここまでのお話から、確定申告の外注はすごく魅力的に感じました。でも、ぶっちゃけ費用はお高いんでしょうか……?
伊沢:
費用の負担感は人それぞれだと思いますが、じつはお客様の事業や売上の規模、取引先や領収書の数で相場はけっこう変わってきます。また先で述べたように、記帳を税理士がするか否か、顧問契約なのか、スポット契約なのかでも相場は変動しますね。
では、まず顧問契約で税理士に記帳~確定申告代行を依頼する場合の一般的な相場感を見てみます。
- 副業で雑誌や書籍に寄稿するサラリーマン(売上100万円)
→20万円~/年 - ガッツリ働く本業フリーランス(売上600万円)
→30万円~/年 - かなり稼げている本業フリーランス(売上1000万円over)
→40万円~/年
スポット契約の場合は、以下のようになります。
- 副業で雑誌や書籍に寄稿するサラリーマン(売上100万円)
→10万円~ - ガッツリ働く本業フリーランス(売上600万円)
→30万円~(※ほぼ顧問契約と変わらなくなる)
全体的に、どれだけ安くても最低10万円~/年は必要だと思ってください。なお記帳だけお客様がする場合は、上記から数万円割引になるイメージですね。
齊藤:
なるほど、売上によって外注費用も変わってくると! ただ、記帳を自分でやっても数万円しか引かれないんですね……。
飯塚:
じつは、確定申告業務における帳簿入力は、そこまでウエイトが大きくないんです。お客様にご入力いただいた場合も、一度こちらで誤りがないか全ての記帳内容を確認する必要があり、誤っている事項があればそれらを全て修正することもあります。

齊藤:
そう言われると納得です。ちなみに、領収書によっても費用が変わってくるとのことですが、具体的に何枚くらいだと費用が高額になりますか?
飯塚:
領収書の枚数が、1ヶ月に100枚を超えてくるようだと金額が上がるイメージです。領収書の多さは業種によって変わってくるので、たとえば経費が少なくなりやすいエンジニアは領収書の枚数も少ないですし、取材などで持ち出しが多めのライターは領収書の枚数が多くなりがちです。
齊藤:
少しでも外注費用を抑えたいんですが、何か良い方法はないですかね……?
伊沢:
事務所側とお客様の双方が対応できる場合、クラウド会計ソフトなどで書類や帳簿のやり取り、管理をすると、作業が効率化されて費用も減少します。マネーフォワードやfreeeの操作方法を学んでいただき、ご自身である程度正確な帳簿付けをしていただくのも有効かと。
売上がいくらになったら確定申告を税理士に外注依頼すべき?
齊藤:
私を含め、多くのフリーランスが「売上がいくらになったら税理士さんへの依頼を検討するべき?」というポイントで一番悩んでいると思います。税理士さんの視点から見て、依頼を検討するタイミングはどのくらいがベストでしょうか?
伊沢:
もちろん絶対の正解はありませんが、私たちの見解としては「売上500~600万円」のフリーランスで、かつ「売上1000万円が現実的な目標になってきた」タイミングが良いと考えています。
この売上であれば、すでにサラリーマンの平均年収を超えているので、本業に専念したいと思う方も多いはず。金額的に帳簿付け・税金計算などが面倒になってくるラインでもありますし、これから売上1000万円を目指して活動していく場合、今後を見越して税理士に声をかけても良いでしょう。

飯塚:
実際に売上が1000万円を超えてから依頼される方もいますが、そうなるとご自身で申告されていた過年度分が間違っていた場合の修正が多くなり、税金面でも損をするリスクがあります。そのため、1000万円が見えてきたラインで相談していただきたいですね。
齊藤:
今後、インボイス制度の施行により消費税計算の必要性も出てきます。インボイス制度の施行後は、依頼を検討する基準が変わったりするものですか?
伊沢:
いままでは、売上1000万円を超えると消費税計算の必要が生じたため、これも1つの基準でした。しかし、インボイス制度によって多くのフリーランスが売上に関係なく課税事業者になり、消費税計算が必要になると思われます。消費税計算は複雑で面倒なので、売上が500~600万円に届いていなくても、外注のメリットが高まるかもしれません。