明日から実践できるマーケティング的組織活性化とは
以上のように、組織を活性化させるためには、マーケティング的考えを取り入れていただくと、よりヒントが掴みやすいかと思います。
最後に、皆様の企業でも明日から実践できるマーケティング 的組織活性化のためのアクションをいくつかご紹介したいと思います。
①社内の人材ポートフォリオを策定してみる
まずは、「パフォーマンスの度合い×自律度合い」にて社員を4象限に区分してみましょう。「自律度合い」と言う新しい視点が入ることで、これまで思いもよらなかった人材へ着目することができるかもしれませんし、これまでハイパフォーマーだった人材にも懸念が出てくるかもしれません。
②「ハイポテンシャル層」から育成戦略を考案してみる
自律度合いが高く、しかし目立ったパフォーマンスがまだないハイポテンシャル層は、最もレバレッジが効く層です。ここにターゲットを絞り込み、個別で育成戦略を考えてみます。
「〇〇さんがもっと活躍する可能性が高いプロジェクトは何だろうか?」
「〇〇さんと直接関わった方が良いのか、それとも誰かを介して関わった方が良いのか?」
という視点をもちながら考えてみましょう。
③組織活性化に「ターゲット戦略」の考え方を経営幹部に定着させる
最後に非常に大事なことですが、組織活性化のためには、ターゲット戦略が欠かすことができません。「みんなを救う施策は結果誰も救われない」という事実と向き合うことが必要です。
現在はHR Techツールの流行に伴い、組織活性化の施策が打ちやすくなりましたが、全社員を対象とした施策を手段として行うことが多いような気がしています。
こうしたTechツールは活用しつつも「ターゲットを絞った個人活性化の末に組織活性化がある」という考えのもと、本質的な組織活性化に取り組まれる企業が増えることを願っております。
<著者プロフィール>
張ヨンヒ(JANG YOUNHEE)
株式会社ITSUDATSU
取締役副社長学生時代に起業し、事業売却。2008年に故郷の韓国より来日し、外資Eコマース企業のマーケティングスペシャリストとして、マーケティング戦略やプロモーションの全般に従事。その後、広告代理店企業のデジタル戦略事業部長、D2C企業のCMO兼事業責任者として、マーケティング戦略を含む事業全体の戦略や組織体制構築を経験。2022年4月現職に就任。