「もしも一晩で億万長者になれたら……」。そのような願望を、誰もが一度は抱いたことがあるはずだ。そして「そんな夢みたいなことが起こるわけない……」とため息をついただろう。一晩で億万長者になることは、実際のところ不可能なのだろうか?真剣に考えてみた。

日本に億万長者は何人いるのか?

そもそも日本に億万長者は、どれくらいいるのだろうか?

野村総合研究所の推計 によれば、預貯金や株式、債権などから構成される「純金融資産保有額」が1億円以上を超える世帯は、2015年時点で121.7万世帯。 割合にすると全体の2.3%だった。この人たちは一体どのようにして億万長者になったのだろうか。実家が代々お金持ち、もしくは起業して大成功したのかもしれない。

では、実家がお金持ちでもなければ、ビジネスを成功させる才もない、そのような庶民でも億万長者になれるとしたら、一体どのような方法があるだろうか。

①宝くじ・カジノ(ギャンブル)で一獲 千金

最初に頭に浮かぶ方法が、宝くじやカジノなどのギャンブルで一獲千金を狙うことだ。

公開されている情報を探したところ、宝くじの公式サイトで興味深いデータが見つかった。2015年度に1億円以上(最大8億円)の当選金を獲得した人は353人だという。1年間の時間軸で考えてみると、億万長者が25時間ごとに1人誕生している計算だ。

これを多いか少ないか感じるのは人それぞれ。しかし、 誰もが公平にチャンスを与えられ、かつ難しい手間や高額な初期投資も必要ない手段であるのは間違いない。

②億万長者と結婚!

ギャンブルで一獲千金を狙うよりも、もしかすると確率が高く、よりロマンチックなのが億万長者と結婚することだ。日本の法律上、結婚後の配偶者の財産は夫婦で共有できる。

ひと昔前は、女性が裕福な男性と結婚すると「玉のこし 」、裕福な女性と男性 だと「逆玉(のこし)」と表現され、誰もが玉のこしに乗った人をうらやんだ ものだ。だが、億万長者を相手に自分をアピールするための自身の容姿や教養などが必要になるため、その点において宝くじのような公平性や手軽さに欠ける。

③資産家から相続……?

裕福な人の資産を得るための手段が、必ずしも「結婚」だけとは限らない。

今のご時世、資産を持っていても生涯独身で、資産を相続する人がいない億万長者もいる。そういう人と積極的に親交を深めておくと、後々、億万長者につながる かもしれない。法的に有効な遺書の書き方の知識をあらかじめ備えておくと役に立つだろう。

ただし、高額な相続税を納める必要がある ので、相続する額によっては「億」に満たない場合もあるので注意が必要だ。

④不動産・株に投資

倫理的に真っ当な方法の1つといえるのが、不動産や株への投資で一獲千金を得ることだろう。ギャンブルのように運頼りではなく、知識や情報を収集する自分の努力量に比例して可能性を高められる。

ただし、億といった高額な利益を得るためには、相当額の掛け金も必要になる上、失敗したときの損失があまりに大きい。高いリスクを被るため、一晩で億万長者になる方法としては不向きだろう。

⑤アメリカのオーディション番組に出演

「アメリカズ・ゴッド・タレント」という世界的人気番組を知っているだろうか。ステージで出場者がパフォーマンスを披露し、審査員がオーディションするスター発掘番組だ。歌手のスーザン・ボイルを輩出した番組と聞けば、ピンとくる人もいるだろう。

番組の優勝賞金はなんと100万ドル。日本円に換算すると1億4,000万円。さすが海外のタレントショーは規模が大きく、賞金も桁違いだ。

ジャンルは歌、ダンス、マジック、コメディ、伝統芸能などなんでもアリだ。審査員や観客を魅了することさえできればよい。年齢も国籍も問わず、リスクもない。もしかすると、これが最も現実的な方法かもしれない。

⑥家にお宝は眠っていないのか?

たまにあるのが、家の倉庫に眠っていた骨董品や絵画がとんでもない価値を秘めていたケースだ。実家に帰ったときにもう一度、倉庫や押し入れ の荷物を見返してみよう。

自分にとってはガラクタのような無価値の物でも、世界の誰かにとっては希少価値の高い物だとする。たとえ億超えはしなくても、インターネットのオークションサイトやフリーマーケットアプリに出店して見ると、思わない高値をつけることはよくあるものだ。

結局「長期投資」が堅実

これをいってしまうと元も子もないが、一晩で億万長者になるための方法にはやはり限界がある。どの方法も非現実的に聞こえてしまうのも無理ないだろう。

ただ、「一晩」にこだわらなければ勝機はある。その現実的な方法の一つが長期投資だ。少額から始める低リスクの投資は、リターンも小さい。しかし、利回りは銀行口座に預けるよりもよほどよいため、コツコツ続ければ、数十年後にはまとまったお金になる。

一晩で億万長者にはなれなくても、長期間かけて小金持ちになるほうを目指してみるのはどうだろうか。

文・岡本一道(政治経済系ジャーナリスト)
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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