大竹氏は、政府の新型コロナ分科会委員であり、同分科会でも意見を提出しているようですが、まだ明確な回答が得られていないとのことです。
新型コロナの最新データは、第109回アドバイザリーボード資料(12月7日)にあります。それによると、60歳以上での季節性インフルエンザの致死率(死亡率)は0.55%ですが、新型コロナの第7波はこれを上回る0.75%となっています。

出典:第109回アドバイザリーボード資料3-7-②(p3)
これを受け、同日のアドバイザリーボード資料1(p5)では、「現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率(致死率)は、季節性インフルエンザの致命率(致死率)よりも高いと考えられる。」とあります。つまり、コロナはインフルより「危険」ということです。
新型コロナの致死率が重症率より高いのはなぜかしかし、これら表をよく見ると、少々奇妙なことに気が付きます。60歳以上での新型コロナの致死率は、重症化率よりはるかに高いのです。
オミクロン株では、「軽症」の人が圧倒的に多く死亡しているということでしょうか。それとも、死亡後のPCR検査で陽性と判明した人が多いのでしょうか。
不思議なことに、アドバイザリーボード資料には説明が見つけられませんでした。
そこで、この資料から60歳以上の重症化率と致死率をグラフ化してみました。やはり、オミクロン株では、圧倒的に「軽症」の人が多く死亡しているようです。

データ出典:第109回アドバイザリーボード資料3-7-②(p3)
私が分析したところ、高齢者の新型コロナによる死者は、
重症者が圧倒的に少ない 死後や救急搬送時にPCR陽性に判定されたケースが多い 基礎疾患ありの人が多い 死者の多くが高齢者施設で発生
という傾向が見られるようです。これは、致死率にカウントされている人の死因が、「本当は新型コロナでない」ことを示唆しています。
参考までに、季節性インフルエンザによる死者のカウント方法は、新型コロナよりはるかに厳しいようです。
残念ながら正確な数字は出せませんが、これらのことから、現時点での「本当」の新型コロナの致死率は、いずれも重症化率以下と思われます。
つまり、新型コロナが特措法の対象となる条件、「季節性インフルエンザにかかった場合の病状の程度に比しておおむね同程度以上」は満たしていない可能性が高い、と言わざるを得ない状況です。