おわりに

今国会は、事前の予想通り、旧統一教会問題に多くの時間を使い、政局に明け暮れました。マスメディアと一部野党は、“閣僚の首級”を3つ上げたにもかかわらず目的達成が見えず、4つ目に着手しております(うんざりです)。

「予算」とは、国家存亡の秋には国を救う大戦略となり、為政者による暴走の危険があれば、これを止める“拘束具”となります。まさに国家運営の中心テーマの一つです。他党もまじめに知見を高めて、建設的な議論ができる議員を増やし、政局ではない真剣勝負をして頂きたいと考えます。

また、企業経営では初歩となるBS・PLの観点からも議論をして頂きたいと考えます。そうすることで、学校制度改革の話、艦艇など長期資産と人件費など(費用の性質に合わせて)財源手当てを工夫する話、遠慮なく仮想敵をも想定した防衛戦略の話などが自然に出てくるはずです。税や予算、あるいは国債といったお金の話ばかりでなく、“資産の質”としての教育投資や防衛費の議論などが深まるのです。国民の代表としてもっと実のある議論を要望します。

その一方で、国民の側も「今よりもっと国会における与野党の議論に注意を傾けるべきだ」と私は考えます。良質な議論は大いに評価し、その逆は本質的な論点を挙げて批判することこそが、国会議員たちを牽制しその進化を促すことになるからです。

前稿と本稿「これぞ予算委員会①・②」は、その考えを自ら実践するために致しました。