【11月28日衆議院予算委員会】
玉木代表:鈴木財務大臣、今外為特会ってドル建て円建てでどれくらいあるかご存知ですか?
鈴木財務大臣:1兆2,000億ドル程度だと思います。
玉木代表:合っています。去年の今ごろの為替レートって1ドル115円、今140円ぐらいになっていますから、単純計算しても30兆くらい日本円で増えています。
前回質問時(10月6日)財務省は誤魔化しました金額を、今回玉木代表は自らの手で概算金額を突きつけました。
引き続き質疑を追います。前回は「為替介入になるから円売り・ドル買いはやらない」と逃げた政府でしたが、この間まさに安定を目的とした日本の為替介入と推定される“大規模なドル売り円買い”が複数回観測されました。つまり日本は「数兆単位の円貨」を手に入れたと推定されます。玉木代表はそこを鋭く突きます。
【11月28日衆議院予算委員会】
玉木代表:今回為替介入で外貨を売って円を手に入れています、9.1兆円。この一部を使えば合わせて10兆円くらいなります。
インフレ手当予備費と外為特会からのお金を使って「国民一人当たり10万円のインフレ手当」、経済の回復を確実なものにするためにもやるべきではないですか?
困った財務省は、今度は総理に別の理由を述べさせます。
岸田総理:外為特会の外貨資産は、政府短期証券を元手に保有しているものであり、為替介入で円貨を得た場合、償還期限を迎えた政府短期証券の償還に充てる。これを財源として捻出するということは適当でない。
しかしこの答弁に追い込んだ瞬間、玉木代表の論戦勝利が確定します。
玉木代表:直近では1998年、数兆円単位で今と同じような介入をしております。しかしその時のお金は償還に回っていません。あの時は167兆円償還しておりますが、全額新しい政府短期証券FBを発行して167兆円、きれいにロールオーバー、つまり借り換えしております。
財務省はよく、「償還しなきゃいけない」と言うのですが、外為特会の負債サイドのこの政府短期証券の積み上げって減ったことがないです。
「外為特会から一般会計にくれるのはおかしい」という議論があるのですが、これを一番やってきているのが財務省です。毎年、数兆円規模の運用益が出て、(略)平成に入ってからでもトータル50兆円くらい繰り入れているのです。
「やったらダメだ」「ダメだダメだ」と言うんだけど、お金が足りなくなったら一番外為特会に頼ってきたのは財務省ですよ。
「財務省がやってきたことをやったらいいんじゃないの」と言っています。特に、円安で国の特別会計がウハウハになっているのであれば、円安で困っている企業と個人を助けるための財源に回せば合理的だということを申し上げている。
よくSNSでは“ザイム真理教”や“Z”などと揶揄されることの多い財務省ですが、具体的にここまで論戦で追い詰めるほど論証できる人は少ない印象があります。玉木代表は財務省出身なので先方の手の内は熟知しているからこそ、私達予備知識の少ない観衆にもここまで明瞭に示すことができたのでしょう。
ここから先の政府側の対応は、「総理の聞く力」が皮相的な姿勢に過ぎないのか、それとも諫言を聞き入れる度量を伴う「為政者の力」なのかにかかっているでしょう。心ある国民は見守るべきでしょう。
「これぞ予算委」③:「防衛予算」提案その次に玉木代表は、外為特会の差益で手にしたお金の有意義な使途として、喫緊の課題である「防衛費増額の財源」問題の議論を展開します。