【11月28日衆議院予算委員会】

玉木代表:防衛費の話をします。

一部報道で、次の中期防は40兆円台とか、あるいはすごく大きな47兆円という議論も出ています。今がだいたい中期防27兆円くらいですか、5年間で。だから追加で13兆とか、多く見積もっても20兆、次の5年間で必要なわけです。でもここで、円安による為替差益が30兆円出ていますから、このうち一部を使えば「少なくとも今後5年間の追加の防衛費は賄えるのではないか」と思うのです。

そこで総理に伺います。このまえ有識者の会議で「幅広い税で防衛費の増を賄う」という提言があったと承知していますが、総理としては法人税や所得税の増税を考えておられるのですか?

岸田総理:防衛費につきましては、これをどのように賄うのか、具体的な税目については今議論が続いている最中でありますので今確定的に申し上げることは控えます。

ここで玉木代表は、防衛費増額の当面(5年間)の財源として為替差益を充てることを提案する一方、“景気を冷やす”懸念のある増税を、今この時に実施することのリスクを挙げて牽制を入れます。

玉木代表:今景気回復、ようやくですね、コロナから戻ってくるこの段階、すごく大事な時です。今回の補正予算についても一つ残念なのは、29兆円というのは評価しているのですが、同時に増税の話をするので合理的な意思を持った人が何を考えるかというと、「今もらっても将来とられると思うから使わない」のです。

「出す話」と「取る話」を同時にするのはやめたほうがいいです。せっかくやった経済対策の効果を減じるので。ある意味人は合理的なので、「将来増税ありますよ」って同時に言われたらやっぱり経済波及効果とか乗数効果が落ちるのです。

そこでまずは「特別会計とか基金で余ったお金とかいろんなものを使って財源捻出する」ということを考えて頂くということが大事だと思います。

それこそ「防衛費の財源、それについて考える与野党協議会を設置して、私はちゃんと議論した方がいい」と思います。安全保障についてはやはり与野党の合意が必要だし、我々国民民主党も増額した方がいいと思っています。しかしいきなり増税に行くことは反対です。

これこそ、予算委員会質疑ではないでしょうか。「国民」の政策内容については、人により賛否は別れることでしょう。しかしそれを直球でぶつけて議論し、予算案へ一定程度の反映を実現して行く工程こそが、国会予算委員会における、国民代表たる代議士たちの本務ではないでしょうか。

ちなみに、立憲と維新の組み換え案は誠にあっさりと否決されて終わっています。内容が薄く、議論も尽くしていないのだから当然です。