世界の時価総額ランキングに異変が起きている。ここ数年は中国企業の躍進が目立っていたが、ここにきて中国企業がTOP10から姿を消したのだ。テンセント(Tencent)やアリババ(Alibaba)など、TOP10にランクインしていた企業に何が起きたのだろうか。

世界時価総額ランキング、2020年末と現時点で比較

まず、2020年末時点と2022年の時価総額ランキングを比較してみよう 。2つのランキングを見ると、中国企業がトップ10から姿を消していることがわかる。テンセントとアリババに注目して比較してほしい。

<2020年末の世界の企業の時価総額ランキング>
順位 企業名
1位 アップル アメリカ
2位 サウジアラムコ サウジアラビア
3位 マイクロソフト アメリカ
4位 アマゾン アメリカ
5位 アルファベット
(Google)
アメリカ
6位 フェイスブック アメリカ
7位 テンセント 中国
8位 テスラ アメリカ
9位 アリババ 中国
10位 バークシャー・ハサウェイ アメリカ
出典:Think180around(www.180.co.jp)
<2022年10月末時点の世界の企業の時価総額ランキング>
順位 企業名
1位 アップル アメリカ
2位 サウジアラムコ サウジアラビア
3位 マイクロソフト アメリカ
4位 アルファベット
(Google)
アメリカ
5位 アマゾン アメリカ
6位 テスラ アメリカ
7位 バークシャー・ハサウェイ アメリカ
8位 ユナイテッドヘルス・グループ アメリカ
9位 エクソン・モービル アメリカ
10位 ジョンソン&ジョンソン アメリカ
出典:Think180around(www.180.co.jp)

中国の利下げはなぜ?

中国では「利下げ」が続いている。2021年1月20日、中国の中央銀行にあたる「中国人民銀行」は、中国の政策金利にあたるLPR(ローンプライムレート)を2ヵ月連続で引き下げることを発表した。

中国では景気の減速が鮮明になってきていたため、政策金利を下げ景気を良くようとしているわけだ。

しかし、不動産業界の低迷や、対コロナでの人流抑制により、引き続き景気後退のムードである。2022年7〜9月のGDP(国内総生産)の伸び率は前年比3.9%であったが、上海ロックダウンの影響も大きかった4〜6月には0.4%であった。

中国の個別株に投資するメリット・デメリット

同じ外国株でも、米国株ほど知られていない中国株だが、個別株への投資には、どのようなメリットとデメリットがあるのだろうか。

・メリット
個別株への投資は、投資する銘柄を自分で決められます。自ら企業を分析して投資するのは、株式投資の醍醐味といえるでしょう。またETFや投資信託を保有する際にかかる信託報酬も、個別株であればかかりません。

・デメリット
中国株は情報が得られにくく、日本株や米国株などに比べて企業分析や銘柄選択は難しい。リスク分散のため複数の銘柄に分散投資するにも、まとまった資金が必要となります。

今後の動向にも注目

金利は下がっているが、同時に各産業への規制も厳しくなっている中国。今後、世界経済にどのような影響をもたらすのか、引き続き注目していきたい。

文・MONEY TIMES編集部