目次
移住した人の話1. 宮田裕美さん(商店街空き店舗活用)
福知山に移住した人2. 羽星大地さん (クラフトビール製造)

移住した人の話1. 宮田裕美さん(商店街空き店舗活用)

福知山の町の中心にある「新町商店街」。アーケード商店街で全長300mにわたってお店が軒を連ねています。昔はかなり賑わっていたそうです。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)

しかし、日本全国の多くの商店街が不振にあえぐ中、ここ新町商店街も例に漏れず、近年はシャッター通り商店街となっていました。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)

そんな今の姿を見て「この新町商店街を、再び活気ある通りにしたい!」と声を挙げ、同じ気持ちを持ったメンバーと共に動きだしたのが、宮田裕美さんです。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=<一般社団法人福知山ワンダーマーケット代表の宮田さん(左)とスタッフの足立さん(右)>、『たびこふれ』より引用)

宮田さんは宮城県仙台市出身。大阪出身のご主人が「サラリーマンを辞めて農業をやりたい!」と一念発起。農業塾が福知山だったこともあり、夫婦で福知山に移住を決めました。そしてこの新町商店街をひと目見て「ここで何かやれたらいいな」と衝動が沸き起こりました。

アーキテンポとは「空き店舗」・主(あるじ)を意味する "archi"、建築家を意味する "architect" から名付けた造語だそうです。

アーキテンポは、元紳士服屋だったところをレンタルスペースとして1日から貸りることができます。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=<アーキテンポの内観>、『たびこふれ』より引用)

とてもおしゃれな空間です。

このスペースに「お店を開業してみたい」という挑戦者がテスト的にお店を開きます。正式開店の予行演習のようなイメージでしょう。例えば製麺所をやっている人がここで試験的にラーメン屋を開業し、手ごたえを感じて駅前にラーメン屋を開店することになったというような事例があります。

そんな風にお店を開業したい人がこの場所を短期で借りてまずやってみる、という"場"として提供しています。ジャンルはさまざまでお菓子屋さんだったり、BARだったり。

宮田さんは「この商店街の空き店舗が再び埋まって、賑わうようになればいいな」と思っていました。

しかし、すべての空き店舗にお店が入ることは現実的にはなかなか難しい。

空き店舗をすぐ埋めることはできなくても、商店街に活気を呼び戻すことはできないか、その方法のひとつがワンダーマーケットです。

ワンダーマーケットとは?

ワンダーマーケットとは、簡単に言うと露店を商店街の路上に開くイベントマーケットのことです。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=<ワンダーマーケットの様子>、『たびこふれ』より引用)

毎月第4日曜に新町商店街に約40店舗がオープンします。ワンダーマーケットが始まって今年で6年目。始めた当初は出店者を募るのも大変だったそうですが、半年くらい経ったころから出店者も来場者も徐々に増えていきました。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)

ワンダーマーケットにはベンチも置いてあります。目指しているのは、単なる買い物をする場所ではなく「人が集う場所」なのです。

出店するお店は、こだわりのある雑貨、アクセサリー、食べ物のお店など。

出店者曰く「ワンダーマーケットに来られるお客さんは客層がいいと思います。ゆっくりとお話ができます。ワンダーマーケットに参加して、私は改めて商いの面白さを知りました」と評判も上々で、リピート出店するお店も多いそうです。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)

地元のおばあちゃんがワンダーマーケットを歩きながら「まるで昔の賑やかだった頃の商店街を見ているようやわぁ」と喜んでおられるのを見て、宮田さんも「ワンダーマーケットを始めてよかったなぁ」と嬉しく思うそうです。

宮田さんに、これからの夢を伺いました。

「この新町商店街をもっと賑わいのある通りにしたいです。実現は簡単ではありませんが、ワンダーマーケットとアーキテンポでその推進役ができれば嬉しいです。」

移住者としての福知山市の印象を訪ねてみました。

「ほとんど予備知識無しで移住しましたが、福知山って意外と都会なんだな(笑)と思いました。駅近辺は街ですし、買い物にも困りません。福知山で充分楽しめます。もう都会の生活には戻れないかな(笑)」(宮田さんは農家なので、街の中心ではなく、農村部にお住まいです。)

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)

新町商店街にはいくつか黒板が置いてあって、こんなことが書いてありました。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)

福知山市は教育にも力を入れているそうです。子育てに良さそう、と移住してくる家族も多いのだとか。

賑わいのある街づくりへ邁進する宮田さんと足立さん、すごいです。がんばれ!

福知山に移住した人2. 羽星大地さん (クラフトビール製造)

旧銀行跡地を利用して、福知山初のクラフトビール造りを始めたのが、CRAFT BANKの羽星(はぼし)大地さんです。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)
【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)

CRAFT BANKはいかにも銀行の建物らしい頑強なビルの中にあります。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)

店内に入ると、ビールを飲めるおしゃれなカウンター席が。その奥には大きなビールタンクをガラス越しに見ることが出来ます。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)

クラフトビール造りは、清潔さが第一。タンクを徹底的に洗いこまないと美味しいビールは造ることができないそうで、力仕事が8割だそうです。

羽星さんは元IT会社のサラリーマン。その経歴をあっさり脱ぎ捨てて「ビール片手になんかやろう」をスローガンにビール造りの世界に飛び込みました。

「なぜビール造りを始めようと思ったのですか?」の問いに羽星さんはこう答えました。

「学生時代にヨーロッパを旅したんです。その時に訪れたドイツで、外国人たちとビールを酌み交わしました。それで強く感じたことは、「ビールを酌み交わせば、言葉は通じなくても心は通じる」これは他のお酒では感じられない、ビールならではの魅力でした。」と。

「ビールには、人と人をつなぐ力がある」

「クラフトビールは他のビールに比べても、特に前向きに生きているような感じがするんですよね~」と羽星さん。

そしてクラフトビール製造の世界に一から飛び込みました。世界コンテストで金賞を獲った宮崎の「ひでじビール」で修行しました。その時、クラフトビール業界はオープンマインドだと感じたそうです。教えを乞えば、師匠からすべてつつみ隠さず教えてもらえたそうです。

【京都・福知山市】移住したい人がこの土地を選んだ 決定的な理由 とは?
(画像=『たびこふれ』より引用)

こちらが今回いただいたLAZY IPA。クラフトビールの入門編のような飲みやすいビールでした。フルーティーな香りと、トロッとしてなめらかな口当たりが特徴です。

クラフトバンクは、2022年内にECで全国販売を開始する予定なのだとか。楽しみです。

「ビールは人と人とをつなぐ力がある」とゼロからクラフトビール造りに踏み出した羽星さん。ここでも「人とのつながり」が人や街を動かす原動力になっていることを感じました。