現時点で解散総選挙が不可能な理由
そうなるように仕向けるなら、それはただ一つ、経済対策を突くしかない。今の統一教会問題を突いている間は、ただ印象操作をしてるだけの話で、無党派層を揺り動かすものでは無いだろう。無党派層は何も若年層に限ったことではない。現在、40代、50代の有権者の多くも、選挙に行かない。どうせ自民党が勝つんでしょ?と思っているし、その予測は大きくは外れない。働き盛り世代ほど、野党の本質を見抜いて、野党よりは自民党の方がマシだと考えている。
人々は現在の円安が日本のインフレを呼びこんしまったと勘違いしてるが、現在のようなグローバルエコノミーで資源、食糧が複雑なインセンティブを各国に与えてしまっている現状では、今回のようなアメリカ経済の過度なインフレ抑制のための利上げ政策は、即座に各国の通貨安を引き起こしてしまう。言い換えれば、不確定要素が複雑に絡み合う状況の中で、日本政府を責めるのは少しピントが外れた議論だ。
特に、デフレで通貨高が重要だと言う間違った経済理論を唱える人ほど、今回の円安に対して、他国同様に利上げ政策をせよと言う。確かに、「今」現在だけを問題にするなら、今後、どんどんインフレが加速するのでは?という心配が頭をもたげ、庶民生活に寄り添うフリをしたがる野党議員は耳障りの良い政府批判を繰り返すだろう。
だが、円高によるデフレ不況を経験した国民は、次第に何が今の日本に閉塞感を齎しているか?は、見抜きつつある。それは、間違った経済指標、間違った経済理論、間違った自称経済学者による、財務省寄りの財政健全化に寄り添う議論が体勢を占めていることの問題点だ。マスコミはただそれに便乗するだけで、財政法のドグマに陥った硬直化した財務省脳が、今のデフレ不況のすべての根源なのだ。
ではどうして御用学者や経済アナリストはそれに便乗するのだろうか?
端的に言って、官僚の天下り体質以外の何者でもない。元官僚の肩書は、各省庁の関連団体や法人の天下り先に好都合であり、誰もが政府とのパイプ役を欲する。そこに横たわる莫大な特別会計をチラつかせて、官僚は天下りを繰り返している。つまり、退官後の立場も約束され、特別会計という国民には見えない予算を手土産に天下り、それを伝統として後輩に引き継ぐ。国民に見せるのは、一般会計が逼迫して増税しなければ日本は危ないという実しやかな危機説だけを流布するだけでいい。こんな簡単な仕事はない。
そこに数多くの御用学者、経済アナリスト、マスコミがぶら下がっているだけの話だ。
だから、本当のことを言うリフレ派は、政府の要職には就けない。仮に要職に就いたとて、責任が伴っていないから、財務省の分厚い壁を切り崩すことは出来ない。
先の国会本会議において、外為特会の含み益を切り崩すことを質問した国民民主党の玉木代表のように、事実を白日の下に晒せる野党議員がいないことも大きな問題だ。
立憲民主党の階猛議員が如きは、大真面目に利上げ政策に舵を切れと、馬鹿げた話を繰り返す。彼の話は、「この人は本当に経済、財政、金融に無知な人なんだ。財務省のブリーフィングを大真面目に信じてる人なんだ」と言う以上の感想は無い。
野党が訴えるべきはむしろ逆で、今般の補正予算についても、補正予算だからこそ出来ることがあることをまず国民に理解してもらった上で、その使い道についてばら撒きでもいいから景気刺激策に向けることを国会で追求すべきなのだ。
つまりやってることが逆なのだ。
では、今の頭の悪い野党議員とその支持者が言うような、解散総選挙に向かった場合、野党は自民党に反することを公約にしなければならなくなり、その中身は煎じ詰めれば緊縮財政と将来の増税になってしまう。今、国会やあちこちのメディアで補正予算に文句を言ってる政党が、選挙になったら真逆の主張をした時、国民はどう受け止めるだろうか?
コレほど信頼の置けない政党に国政を任せたいと思うだろうか?