仮想通貨取引所大手の米FTXが経営破綻に陥った。仮想通貨の代表格とも言えるビットコインやイーサリアムの価値は大きく下落し、個人投資家の間に動揺が広がっている。

しかし、投資は「安く買って高く買う」のが基本。そう考えれば、いまは最高の「買い場」なのか。

「爆上がり」するケースと「爆下がり」するケースに分けて解説する。

仮想通貨「爆上がり」のシナリオ

仮想通貨が今後爆上がりするためには、「買い手」が増えなければならない。買い手が増えるということは、すなわち仮想通貨の将来を有望に感じる人が増えることが必要だ。

ではこのシナリオでは、多くの人は何に有望性を感じるのか。

考えられることは、今回のFTXの破綻劇を機に規制が強化されることだ。FTXは「御法度」とされる顧客資産の流用をしていたとされ、規制が強化されることで仮想通貨取引所の健全性が今後高まることが期待できる。

取引所の安全性が高くなれば、仮想通貨に対する安心度は増し、そのことが個人投資家の仮想通貨への投資のモチベーションを上げることにつながるかもしれない。

仮想通貨「爆下がり」のシナリオ

では逆に、仮想通貨がさらに大暴落するシナリオを考えてみよう。

価値がさらに下落する場合は、「売り手」がさらに増えることを意味する。もしFTX以外の仮想通貨取引所もドミノのように破綻することになれば、投資家の間で恐怖がさらに広がり、売りのペースは上がっていくだろう。

とくに注目なのが、世界最大手の仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)と、アメリカ市場で唯一上場している仮想通貨取引所のCoinbase(コインベース)が破綻するかどうかだ。ともにFTXより業界でのシェアは大きく、両社もしくはいずれかが破綻したときの影響は計り知れない。

2018年11月18日現在のビットコインの価格は日本円にして230万円ほどだが、さらに価格が下落し、1ビットコインが10万円、もしくは1万円まで下がる可能性もゼロではない。もしあなたの資産をすべてビットコインに投じていたら……。考えただけでも恐ろしい。

今はまださらなる下落の入り口!?

今は仮想通貨の最高の買い場なのか、それとも、まださらなる下落の入り口でしかないのか……。結論からすれば、それは誰にも分からない。

爆益を得る最高のチャンスなのかもしれないが、価値が今から100分の1になったら、あなたは耐えられるだろうか。今一度、自問してほしい。

※本記事は専門家の視点であり投資を目的としたものではありません。投資の最終決定はご自身の責任と判断で行ってください。

文・岡本一道
政治経済系ジャーナリスト。国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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