衝撃のレポートを見てしまった。

国立感染症研究所が出している「広島県における新型コロナウイルス感染症の重症例・死亡例に関する実地疫学調査、2022年1月」というレポートだ。

広島県で「重症」と登録されている重症病床入院者のカルテを後からチェックしてその内容を吟味し、そこからコロナ新型コロナ感染の全体像を把握しよう、という趣旨のこのレポート。何が衝撃だったかと言うと、タイトルにもある通り、

「新型コロナ重症患者の約7割が実は軽症・中等症だった」

と言う部分。

「新型コロナ重症患者の約7割が実は軽症・中等症だった」の衝撃
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

レポートの当該箇所を簡単にまとめると、

  • 広島県で1月に発生した重症例は全27例。
  • そのうちオミクロン株25例のみを対象とし、そのうち24例のカルテを調べたら、うち15例は実は軽症・中等症の患者だった。
  • 本来重症でないのに「重症」と計上されていた理由は、
  • ○基礎疾患やリスク因子により重症化の懸念があったので重症病床に入っていたから
  • ○透析対応の可能な病床が重症病床しかなかったから
  • ○重症例に付き添った軽症例だった

というところ。

重症例に付き添った軽症例? ちょっと驚きだ。まあ、たしかに子どもや認知症高齢者などで「付き添い」が必要なこともあるだろう。

ただ、少なくとも、その軽症の人を「重症」にカウントするのは市民が想定している重症病床のイメージとはかけ離れていると言わざるを得ない。もっと言えば、もし重症病床の診療報酬をとっているのならそれは、診療報酬の不正請求に当たるか可能性すらある。