新型コロナウイルスの影響を大きく受けている業界のひとつに航空業界があるが、業績の悪化とともに、給料も大幅カットとなった。これは、航空業界大手のANAやJALでも同様。ここでは、ANAとJALの給料事情を比較しながら見ていこう。

まずはANAとJALの業績を見てみよう

給料を見ていく前に、まずは、ANAとJALの業績がどうなっているのか見ていこう。2022年3月期におけるANAの業績は、次のようになっている。

ANAグループ業績(単位:百万円)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2022年3月期 1,020,324 △173,127 △184,935 △143,628
2021年3月期 728,683 △464,774 △451,355 △404,624

2022年3月期におけるANAの業績を見てみると、本業の利益を表す「営業利益」や、営業外の収益、費用を加味した「経常利益」、最終的な利益を表す「当期純利益」ともに、赤字になっている。

前年度と比べると、売上高、各利益ともに業績が良くなっているため、コロナの影響から徐々に回復しつつあることがわかる。ただし、コロナ前の2019年3月期には、売上高で2,058,312百万円、営業利益で165,019百万円が計上されていたため、コロナ前までの回復はまだ遠いといえる。

次にJALの業績を見ていこう。2022年3月期は次のようになっている。

JALグループ業績(単位:百万円)
売上高 財務・法人所得税前利益 税引前利益 当期純利益
2022年3月期 682,713 △239,498 △246,617 △177,551
2021年3月期 481,225 △398,306 △404,078 △286,693

2022年3月期におけるJALの業績を見てみると、本業の利益を表す「営業利益」や、営業外の収益、費用を加味した「経常利益」、最終的な利益を表す「当期純利益」ともに、赤字になっている。

こちらも、前年度と比べると、売上高、各利益ともに業績が良くなっているため、コロナの影響から徐々に回復しつつあることがわかる。ただし、コロナ前の2019年3月期には、売上高で1,487,261百万円、営業利益で176,160百万円が計上されていたため、コロナ前までの回復はまだ遠いといえる。

このように、新型コロナの影響で、各社ともに売り上げや利益に大きな影響がでた。それが、給料にも影響している。

ANAとJAL 給料はどちらが高い?

実は、ANAとJALは、給料について細かい数値を公表していない。そこで、ANAとJAL各社の有価証券報告書に記載されている「平均年間給与」を見ていこう。

有価証券報告書に記載されている平均年間給与は、ANAが「全社管理部門の従業員」、JALが「常勤社員」が対象となっている。

平均年間給与 (単位:千円)
ANA JAL
2022年3月期 4,957 7,028
2021年3月期 5,637 6,784
2020年3月期 7,365 8,393
2019年3月期 7,766 8,275
2018年3月期 7,616 8,667

平均給与は、ANA よりJALのほうが高い。また、両社とも、新型コロナウイルスの影響が本格化した2021年3月で、大幅に給与がカットされているのがわかる。

ANAとJAL 新卒採用の状況は?

では、ANAとJALの新卒採用の状況はどうなっているのだろうか。両社とも、2023年度の新卒採用はすでに行っている。

ANAの新卒採用は、次の通りだ。2023年度入社の次の職種で、エントリー開始済である。

・グローバルスタッフ職(事務・技術)
・エキスパートスタッフ職
・運航乗務職(自社養成パイロット)

JALでも次の職種で新卒採用を募集している。

・業務企画職(地上職 事務系、数理・IT系、技術系)
・運航乗務員訓練生(自社養成パイロット)
・客室乗務職

両社ともに各職種、数十人程度の募集だ。一時期、コロナで募集停止していたが、再開しつつある。

今後の航空業界の業績回復に期待

給料面では、ANAよりもJALの方が高い。しかし、両社とも新型コロナの影響で業績、給料が下がり、今は少しずつ回復傾向にある。

今後、航空業界の業績が回復すれば、給料面や待遇がよくなることが予想される。今後の航空業界の業績回復に期待したい。

文・はせがわあきこ

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