目次
3. 重要文化財を含む壮麗な御社殿群
4. 鶴岡八幡宮の太鼓橋(赤橋)
3. 重要文化財を含む壮麗な御社殿群
戦禍や震災などで幾度となく焼失と再建を繰り返した鶴岡八幡宮。そうした歴史を経て今に残る、国指定重要文化財などの御社殿をご紹介します。
本宮(上宮)
鶴岡八幡宮は、山の中腹を切り拓いて建てた大石段上の社殿を「本宮(ほんぐう)(上宮(じょうぐう))」、大石段下のもともと社殿があったところに建てた社殿を「若宮(わかみや)(下宮(げぐう))」と呼んで上下両宮の形態をとっているのが特徴です。
楼門の先には、流権現造(ながれごんげんづくり)の壮麗な本宮(上宮)が鎮座しています。これは文政11年(1828年)に徳川家斉が再建したもので、国の重要文化財に指定されています。

上宮へと続く「大石段」。この大石段を登って振り返れば、由比ヶ浜海岸まで続く若宮大路を見渡すことができます。町並みは多少変わっても、時代を超えて、かつて頼朝公らが見たと同じ情景を眺めていると思うと何だかジワジワきますね。
ちなみに、御本殿内や宝物殿では撮影禁止となっています。ご注意ください。
若宮(下宮)

大石段下の東側に鎮座するのが若宮(下宮)です。
若宮の御祭神は主神・応神天皇の御子である仁徳天皇ほか三神(履中天皇 りちゅうてんのう、仲媛命 なかのひめのみこと、磐之媛命 いわのひめのみこと)で、建久2年(1191年)に焼失・再建するにあたり、今後町の大火による延焼を防ぐため山の中腹を切り拓き、改めて石清水八幡宮を勧請して、上段に本宮(上宮)、地上に若宮(下宮)を置くことになりました。
現在の社殿は江戸時代初期の寛永元年(1624年)に再建されたもので、本宮とともに国の重要文化財に指定されています。
丸山稲荷社
本宮西側にそびえる赤い鳥居の連なるお稲荷さんが「丸山稲荷社」。
本宮鎮座前からこの地に祀られ、境内でもっとも古い室町期の建築とされています。一間社流(いっけんしゃながれ)見世棚造の構造をし、中世の神社建築の貴重な事例として、国の重要文化財に指定されています。
商売繁盛にご利益があるとされ、毎年11月8日に執り行われる火焚祭(ひたきさい)では、鎌倉神楽が奉納されます。
舞殿
参道中央に位置し、本宮の手前に建つ社殿が「舞殿」。神社における祭りや行事のほか、現在では結婚式も行われています。
そんな舞殿は、源義経の愛妾として知られる京一の白拍子・静御前が、兄・頼朝から追われる義経を慕い、その想いを今様(いまよう、歌)にのせて舞った場所(かつての若宮回廊、現在の舞殿で下拝殿ともいう)として有名です。
ちなみに、静御前の「静の舞」は鎌倉の春の恒例行事である「鎌倉まつり」で披露されます。
※2022年の「第63回鎌倉まつり」は、新型コロナウイルス感染防止のため、規模を縮小して開催予定。詳しくは、鎌倉市観光協会のサイトをご参照ください。
4. 鶴岡八幡宮の太鼓橋(赤橋)

若宮大路・段葛を経て、鶴岡八幡宮の入口を飾るのは三ノ鳥居。その向こうに弧を描いて架かかるのが「太鼓橋」です。

全長約10m、30度もの勾配を付けたアーチ状の橋は、かつては木造の橋でした。将軍家がこの橋の手前で輿を降りて参拝したとされています。
鶴岡八幡宮創建当初から存在した太鼓橋は関東大震災で全壊、昭和2年(1927年)に鉄筋コンクリートや石を組み合わせて再建されました。なお、この太鼓橋は「かながわの橋100選」に選ばれています。

かつては一般の人も渡ることができ、鶴岡八幡宮のシンボルとして人気のフォトスポットでしたが、現在は立入禁止になっています。
入場の際は左右両脇の橋を利用しましょう。