鎌倉と聞いてまず思いつくスポットといえば、「鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)」。鶴岡八幡宮は古都鎌倉のシンボルの一つであり、800余年の鎌倉の歴史に欠かせない存在の神社です。
2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の舞台にもなり、2022年3月には「大河ドラマ館」がオープンするなど、最近になって益々注目が集まっています。
本記事では、鶴岡八幡宮の歴史についても交えながら、境内の見どころ、大河ドラマ館の概要などを徹底ガイドしていきます。
目次
1. 鎌倉観光で外せないスポット「鶴岡八幡宮」とは
2. 「八幡宮」と神の使いのハト
1. 鎌倉観光で外せないスポット「鶴岡八幡宮」とは

「1192(イイクニ)つくろう鎌倉幕府」。
今やその定説は時代遅れで、現在は「1185(イイハコ)つくろう鎌倉幕府」、つまり実質的な武家政権が誕生した1185年が鎌倉幕府成立の年として有力視されているそうです。
鶴岡八幡宮は、そんな鎌倉幕府と深いつながりがあります。
鎌倉幕府成立よりも前の1063年、源頼義によって、京都・石清水八幡宮を勧請(かんじょう)して由比ヶ浜辺に鶴岡宮(つるがおかぐう、現 由比若宮)を祀ったのが鶴岡八幡宮のはじまりです。そして1180年には、源頼朝が鎌倉を本拠地としたのに合わせ、現在の鶴岡八幡宮の地に遷されています。八幡神は源氏の氏神(守護神)であり、鶴岡八幡宮では鎌倉幕府の重要な祭事が行われるようになりました。

鶴岡八幡宮は、「武士の都・鎌倉の文化の起点」にもなりました。
鎌倉の街は、由比ヶ浜海岸から鶴岡八幡宮まで約2kmもの距離を直線で結んでいる参道・若宮大路を中心に発展してきたと言われます。今なお門前町としてその賑わいは引き継がれ、鶴岡八幡宮は鎌倉観光の拠点ともなっています。
2. 「八幡宮」と神の使いのハト
鶴岡八幡宮は全国に4万社以上あるとされる「八幡神(はちまんしん、やわたのかみ)」を祀る神社の一つ。その総本社は大分の宇佐神宮(宇佐八幡)であり、京都の石清水八幡宮や福岡の筥崎宮(はこざきぐう)に並ぶ格式ある八幡宮です。
御祭神の「八幡神」(通称「八幡さま」)は「武運の神」「弓の神」「戦勝の神」として知られ、源氏の氏神、武家の守護神として篤く崇敬されてきました。
鶴岡八幡宮の御祭神は、主神を「応神天皇」、「比売神(ひめがみ)」、そして応神天皇の母「神功皇后(じんごうこうごう)」と合わせて八幡三神としてお祀りしています。
大石段の上の本宮楼門に掲げられている扁額「八幡宮」の「八」の文字、よく見るとハトが向かい合わせのデザインとなっているのにお気づきですか?これは、八幡様の神の使いであるハトに由来しています。
鶴岡八幡宮の名称に「鶴」の文字が入っているので、鶴にちなんだ神社と思われる方も少なくないでしょう。実際、神紋は鶴ですが、その名の由来は、前述の源頼義が石清水八幡宮を勧請した鶴岡宮(現在の由比若宮)を祀った場所、鎌倉の由比郷鶴岡(現 材木座1丁目)とされています。そのことから由比若宮は古くは、鶴岡宮とも呼ばれていました。

境内の至るところにいるハト。普段は公園や駅前などで当たり前に見かけるハトたちも、境内で見ると何だか特別なものに感じてしまうからふしぎです。

余談ですが、鎌倉の定番銘菓「鳩サブレー」。これは、生みの親である「豊島屋」初代が、ハトをモチーフとした楼門扁額の文字と子どもに親しまれていた境内のハトから着想を得て考案したのだそう。
若宮大路沿いの本店や鎌倉駅前、境内売店などでも購入可能なので、神の使いのハトを眺めながら鳩サブレー片手に古都鎌倉に思いを馳せる......なんて食べ方もいかがでしょうか?