新型コロナウイルスの影響をあまり受けなかった証券業界。なかでも、野村證券と大和証券の業績は好調をキープしている。ここでは、野村證券と大和証券の給料事情を比較しながら見ていこう。

野村證券と大和証券の業績

給料を見ていく前に、まずは、野村證券と大和証券の業績について見ていこう。2022年3月期における野村證券の業績は、次のようになっている。

野村ホールディングス業績(米国会計基準、単位:百万円)
収益合計 金融費用控除後収益額 税引前当期純利益 当期純利益
2022年3月期 1,593,999 1,363,890 226,623 142,996
2021年3月期 1,617,235 1,401,872 230,671 153,116

2022年3月期における野村證券の業績を見てみると、「税引前当期純利益」や最終的な利益を表す「当期純利益」は、ともに黒字となっている。ただし、前年度と比べると、収益合計、各利益ともに数字を落としているため、業績は下降傾向にある。

次に、2022年3月期における大和証券の業績を見てみよう。

大和証券グループ業績(日本会計基準、単位:百万円)
売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2022年3月期 619,471 115,534 135,821 94,891
2021年3月期 576,172 92,859 115,175 108,396

2022年3月期における大和証券の業績を見てみると、本業の利益を表す「営業利益」や、営業外の収益、費用を加味した「経常利益」、最終的な利益を表す「当期純利益」ともに、黒字になっている。

前年度と比べると、当期純利益については減益だが、売上高、営業利益、経常利益ともに業績が良いため、企業の業績は良くなっているといえる。

野村證券と大和証券では採用している会計基準が違うため、報告される利益区分が異なることもあるので単純に比較できないが、どちらも大きな黒字を計上していることがわかる。

野村證券と大和証券 給料はどちらが高い?

野村證券と大和証券の有価証券報告書に記載されている「平均年間給与」を見ていこう。

有価証券報告書で記載されている平均年間給与や従業員数は、野村證券が「事業セグメントのうち、主にその他に所属している従業員」、大和証券が「総合職のみ(2022年から それ以前は就業人員)」が対象となっている。

平均年間給与 (単位:千円)
野村證券 大和証券
2022年3月期 14,405 12,199
2021年3月期 14,146 10,071
2020年3月期 13,135 10,148
2019年3月期 13,840 10,569
2018年3月期 14,551 10,451

どちらも、一般的な証券会社よりも給料は高いが、大和証券よりも野村證券のほうが平均給与はより高いことがわかる。大和証券の場合は、給料は増えているが、2022年から対象者が変更されたので次年度以降も確認が必要だ。

従業員数 (単位:人)
野村證券 大和証券
2022年3月期 187 467
2021年3月期 154 575
2020年3月期 173 601
2019年3月期 165 621
2018年3月期 132 622

従業員数については、有価証券報告書に記載している対象が違うため、両社を比較することは難しい。ただし、ここ数年で大きな増減はないことがわかる。

野村證券と大和証券の初任給は?

ここからは、野村證券と大和証券の初任給について見ていこう。それぞれの初任給は、次のようになっている。

・野村證券
野村證券の総合職には、海外などへの移転のあるオープンコースと、原則、転居を伴う移転のないエリアコースの2つがある。どちらも初任給は245,000円となっている 。

・大和証券
  大和証券では、3つのコースで新卒採用がある。初任給は、次の通りだ。 ・総合コース・部門別コース 265,000円/月 ・部門別コース(総合職エキスパート・コース) 400,000円~/月 ・コンタクトセンター カスタマーサービス職:大学卒 225,000円/月

初任給は、おおむね大和証券のほうが高くなっている。

野村證券と大和証券のどちらも給料は高い

野村證券と大和証券を比べると、年間平均給与では野村證券が、初任給では大和証券が高くなっている。しかし、どちらも一般的な証券会社よりも給料は高く、両社とも給料面では働き甲斐のある企業といえるだろう。

文・はせがわあきこ

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