債務超過や支払い不能に陥ったときに、借金の支払いが免責される「破産手続き」。2022年8月公表の司法統計によると、2021年の日本の破産件数は7万3,457件となっている。このうち個人は6万8,413 件で、前年の7万1,838件から3,425件減少した。2019年をピークに減少傾向である。破産する人には、どういった傾向が見られるのだろうか。

40代が26.9%で1位

日本弁護士連合会消費者問題対策委員会がまとめた「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると、破産債務者を年代別で見ると、40代が26.9%で最も多い。次いで、50代 21.5%、60代 16.4%。40代は2011年調査以降、4回連続で首位となっており、破産に陥りやすい年代と見られる。

破産理由「生活苦・低収入」6割強

同調査によると、破産の理由上位は以下のようになっている。

生活苦・低所得:61.7%
病気・医療費:23.3%
負債の返済(保証以外):20.5%
失業・転職:17.6%
事業資金:16.1%
生活用品の購入:14.8%
浪費・遊興費:11.4%

破産理由の首位は、「生活苦・低収入」で6割以上を占めている。生活を支えるだけの収入が得られないことが破産の主な原因であることがうかがえる。

第2位は「病気・医療費」だ。病気によって、退職や休職を余儀なくされるケースが想定される。加えて、高額な医療費が家計を圧迫することで、破産に追い込まれる人も少なくないようだ。

気軽なキャッシングが破産を招くことも

第3位は「負債の返済(保証以外)」。いわゆる借金がかさんで返済不能になったことから、破産を選択する人も多いと見られる。

国民生活センターによると、2021年度に同センターの消費生活相談データベースに登録された多重債務に関する相談件数は2万204件。同センターには「銀行のフリーローンとクレジットカードのキャッシングの残高が700万円程あり、支払いが困難になってきた」「消費者金融からの借金の返済ができず、裁判所から通告書が届いている。今までにいくら借りているのかよく分からない」といった相談が寄せられているという。

銀行のフリーローンやクレジットカードによるキャッシングは、手軽に現金を手にできる半面、返済できず、破産に至るケースもあるようだ。

前述した調査の破産理由では、「クレジットカードによる購入」が9.4%で1割近くを占めた。前回の2017年調査(6.5%)から3ポイントアップと上昇傾向が見られる。

手元に現金がなくても買い物ができることから、収入を超える支出につながる危険性は、カードによるキャッシングと同様だ。

支出とのバランスが崩れた途端に・・・

一定の収入が得られている人でも、支出とのバランスが崩れた途端に、多重債務に陥る可能性は大きい。毎月の家計が赤字の場合、まずは支出を見直すことが肝要だ。

文・MONEY TIMES編集部

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